ティーチングプロ・三浦桃香のレッスンが明快すぎた! モットーは「ゴルフ用語を使わずに教えること」
三浦桃香がジャパンゴルフフェアの会場にあるキャロウェイの試打ブースで、4名のアマチュアにレッスン会を行った。
配信日時:2024年3月10日 09時05分
三浦桃香がジャパンゴルフフェアの会場にあるキャロウェイの試打ブースで、4名のアマチュアにレッスン会を行った。1人20分と短い時間だったが、「ティの高さは大丈夫ですか?」「どういう球がでるのが嫌ですか?」と、アマチュアに寄り添った分かりやすい語り口と、レッスンの引き出しの多さには驚かされた。
三浦は畑岡奈紗や渋野日向子ら1998年度生まれの黄金世代。愛くるしいルックスと169センチの長身から繰り出す豪快なドライバーショットで人気を集めたが、21年4月、紫外線アレルギーを理由にツアー撤退を表明。22年にティーチングプロフェッショナル資格を取得し、現在は主にティーチングプロとして活動している。
この日、2人目にレッスンを受けたのは「ドライバーが160ヤードしか飛ばない。もっと飛ばしたい」というゴルフ歴3年の女性。三浦は彼女が何球か打ったのを見ると、「背中が丸くなってヒザが曲がって、自信がなさそうな感じ。自信があるアドレスにしてあげると肩甲骨が上手く動きやすいですよ」とアドバイスした。
続けて具体的にアドレスの手順を伝える。「お尻をクッと上に出すと背骨を張った状態にできる。お尻を出した前傾で構えて、一番最後にヒザを少し曲げる。ヒザを曲げすぎないでください」。
次にヘッドスピードを上げるドリルを提案。「いまはインパクト前で一番加速している。本来はボールの先で加速していきたい。そのためにはクラブを逆さにして、フォローでビュンと鳴るように素振りしていきます」。女性が振れてくると、「いいですね、けっこうビュンと鳴りました。すごい踏み込めています」と自信を与えていく。「クラブを逆さにする素振りと、ボールを打つのを交互にやるといいですね」。そうして加速させながら振る感覚とボールを打つ感覚を合わせていく。
今度は女性がフォローで速く振ろうとするあまり、上体が左に突っ込んでいることに気づいた三浦。「突っ込むのをスイングで気を付けるのは難しいので、ドリルをやってもらいたいと思います」。まずは三浦がお手本を見せる。両足をピッタリと閉じて、ボールを打っていく。「打つときに体が突っ込んでしまうとバランスが崩れてしまうんです」。
レッスン中のかけ声も忘れない。「いいですね。残っている、残っている。この感覚を覚えてほしいです。体が残りながらヘッドが走る感覚がわかります」。あっという間の20分だったが、内容は濃かった。最後は女性と2人で記念撮影。女性の夫がずっと近くで見ていたため、三浦から「一緒に撮りましょうよ」と提案して、3人でカメラに収まった。
アマチュアに寄り添いながら教える姿は、ティーチングプロとしてもう何年も活動しているかのような落ち着きと安心感があった。そんな三浦にどんなことを意識して教えているのか聞いてみた。
「試合でいろんな人の体の動きを見て、実際にどういうアドレスをすれば一番体が回るのかを試しました。同時に一番悪いのはどれなんだろうと。すると、この人はヒザが曲がっているから、肩甲骨が回らないんだなというのが分かる。『どっしり構える』を“ヒザを曲げる”と勘違いしている人が多いので、そういうのを直してあげるといいのかなって。自分のなかの理想のアドレスと、体の動きを近づけられたらいいなと思ってアドバイスをしています」
ひと言にスイングを教えるといっても、年齢や性別、骨格によってできる動きは変わってくる。三浦はそこにも気を配る。「例えば、グリップでヒジの動きが変わる。右ヒジが硬い人だったら、右手を下から握らないとヒジが曲がらないけど、私にみたいに軟らかい人は下から握るとヒジが曲がり過ぎちゃって引っかける。人それぞれの硬さがあるので、それを3段階くらいに分けて自分の中に入れておいて、教え方を変えています」という考えにも納得させられる。
昨年はステップとレギュラーの1試合ずつに出場。また三浦が試合でプレーしている姿を見たいところだが、ツアーへの出場資格を持たないため、今年も引き続きレッスン活動に注力していく。「自分にできることは、ゴルフ用語を使わずに分かりやすく砕いて教えることだと思っています。もっと知識を得て、自分にも取り入れながら人に教えられたらいいなというのが目標です。頑張って勉強しています」と表情は明るい。今後もツアーとは違うフィールドでゴルフ界を盛り上げてくれそうだ。
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