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    上田桃子・吉田優利・渋野日向子らが実践 辻村明志「パットは目線がそろえば、真っすぐ打てる」【四の五の言わず振り氣れ】

    2007年の賞金女王・上田桃子を始め、吉田優利、渋野日向子らそうそうたるメンバーが集う「チーム辻村」。「パットに型なし」と昔からよくいわれるが、辻村は絶対に守るべき基本があると語る。パットの技術は練習するだけ確実に上達できる。では、辻村流の極意を教えてもらおう。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年7月13日 03時00分

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    • 上田桃子
    • 吉田優利
    • 渋野日向子
    打ち出す方向に対して両目のラインをしっかり乗せることで、毎回正確にボールを打ち出せる。ボールは左目の下に置くのが基本
    打ち出す方向に対して両目のラインをしっかり乗せることで、毎回正確にボールを打ち出せる。ボールは左目の下に置くのが基本 (撮影:GettyImages)
    • 左目の下にボールを置いてストロークする吉田優利
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    2007年の賞金女王・上田桃子を始め、吉田優利、渋野日向子らそうそうたるメンバーが集う「チーム辻村」。「パットに型なし」と昔からよくいわれるが、辻村は絶対に守るべき基本があると語る。パットの技術は練習するだけ確実に上達できる。では、辻村流の極意を教えてもらおう。

    必ず左目の下にボールを置く渋野や吉田のストローク【写真】

    ◇ ◇ ◇

    ゴルフの技術の中で、もしアマチュアがプロに勝てる可能性のある分野があるとすれば、パットではないでしょうか。300ヤード超を飛ばすアマチュアをほとんど見たことはありません。しかし10mのパットをアマチュアが入れる瞬間を見たことは何度もあります。偶然でありマグレの意味が強いですが、しかしその精度を高める練習は誰にだってできるはずです。

    パットに型なしとは、昔からよくいわれることです。構えやグリップは十人十色、パターの形状も多種多様です。名手と呼ばれる選手であっても、その打ち方は人それぞれ。そのためパットに基本はない、と言い切る人もいます。

    ただ、ボクはそれに異論があって、絶対に守るべき基本があると信じて疑いません。それは常に一定のリズム(周期)、テンポ(スピード)、ビート(強弱)で打つ、もうひとつ付け加えればどんな状況でも同じテンション(心持ち)で打つことではないでしょうか。アプローチにはいろんな打ち方がありますから、そのまま通じるものではありませんが、基本的にはショートゲームにおける重要なポイントだとボクは思っています。これは尊敬する世界で活躍した丸山茂樹先輩から習った非常に大事なことなのです。

    さて、その一定のリズムやテンポ、ビート、もうひとつの心持ちはどのように作り出したらいいのでしょうか。それは立ち方、アライメントにあるとボクは考えています。「お先に」のショートパットを除き、どんなパットでも同じ立ち方ができるのが一流選手です。打ち方ばかりに気を取られ、この事実に気が付いていない人が多過ぎます。

    入れたいと思うあまり打ち急いだり、前傾角が深くなったり、あるいは打ったボールを目で追えば……つまり同じ立ち方ができなければ、同じリズム、テンポ、ビート、テンションで打てるはずがありません。

    もっと言えば、それはルーティンから始まっています。横からもラインを読む、手袋を脱ぐ、あるいは素振りの回数を決めるでもいいので、自分なりのルーティンを決めましょう。もちろんスロープレーにならない程度のルーティンです。

    プロにだって勝てる可能性のあるパットですが、立ち方がヘタクソ、あるいは立ち方の練習をしないために、アマチュアレベルから脱却できないのです。ボクが選手に教えるのは、「打ち方にこだわる前にアライメントを徹底しなさい」ということです。

    パターはよく感覚派(右脳派)と理論派(左脳派)に分類されることがあります。しかしボクに言わせれば感覚も理論も重要で、なぜなら人間の脳は右脳と左脳があるからです。より高いパッティング技術は、両方の脳を使ってこそのものでしょう。

    その上でパットのミスは、なんらかのズレで起きるものです。そしてそのほとんどはアライメントのミス、間違った立ち方によって起きるとボクは考えています。さらに言えば、ラウンド中にズレやすいのは感覚です。そして注意すれば、ズレがなくいつも同じでいられるのがアライメント、つまり立ち方です。立ち方がズレれば、感覚もズレます。これがボクが「打ち方よりもアライメント」という理由です。

    さて、タイガー・ウッズは、その迫力あるショットに注目が集まりますが、ショートゲームの技術は天下一品。その技術を支えるのが、常にボールを左目の下にセットするなどの、“同じ立ち方ができる技術”です。女子ゴルフブームの先駆者である(宮里)藍さんも、2本のスティックをバッグに持ち歩き、常にアライメントをチェックする選手でした。これはとても高い技術であると同時に、やろうと思えば誰もができ、誰にでも身に付けられる技術です。

    チェック項目はツマ先(あるいはカカト)、腰、肩のライン。スクエアが基本ですが、自分に合った構えであれば必ずしもスクエアである必要はありません。ただし両目だけは、狙ったラインにしっかり乗っていることがポイントです。

    練習としては、ラインに合わせてボールの上に1本のゴムを張ります。このラインに対し、両目のラインがしっかり乗っている、つまりゴムが視界の中央に、真っすぐなことを確認します。これは構えた瞬間、後方から読んだラインを見失ってしまう人にも効果的な練習です。

    自分のルーティンを決めることも含め、これが毎回、同じリズム、テンポ、ビート、そして同じテンションで打てる、最高のパットの技術になるのです。

    ■辻村明志
    つじむら・はるゆき/上田桃子、吉田優利、渋野日向子らを指導し、プロを目指すアマチュアも教えるプロコーチ。荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。1975年福岡生まれ。元(はじめ)ビルコート所属。
    ※『アルバトロス・ビュー』844号より抜粋し、加筆・修正しています

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    辻村明志【四の五の言わず振り氣れ】

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