「グリップエンドを後ろに向ける」 岩井千怜の“1センチ”を削り出す大きなスイングアーク【女子プロのアイアン技】
平均バーディ数で5位につける岩井千怜の高精度なアイアンショットを、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太が解説する。
配信日時:2024年8月18日 21時30分
今季、活躍している女子プロたちのアイアンスイングには、アマチュアゴルファーの悩みを解決してくれるヒントがいっぱい。今回取り上げるのは今季2勝を挙げている岩井千怜。平均バーディ数で5位につける高精度なアイアンを、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太が解説する。
◇
千怜さんはトレーニングをめちゃくちゃしているので、体の強さを活かして大きなスイングアークで打っていけます。アークを1センチ大きくすると、飛距離は3.5ヤード伸びる。バックスイングで1センチ、フォローで1センチを削り出すと7ヤード伸びます。
ダウンスイングからフォローにかけて、左足をしっかり踏み込みながらグリップエンドを飛球線の後ろに向けると、スイングアークを大きくしながら、ややダウンブローで打てます。さらに、右ヒジを曲げたままインパクトしているので「打つ」のではなく「運ぶ」スイングになります。その結果的としてフォローで両ヒジが伸びてボールを厚く押していけるのです。
手打ちになるのは右ワキが空くから。フェースの向きが変わりやすいので重い球が打てません。練習では右ワキにタオルやヘッドカバーを挟んで、時計盤の3時から9時の小さい振り幅で、タオルを落とさないように打つ練習をしましょう。手打ち傾向の人は右ヒジを曲げたまま打つとボールに届かないので、しっかり体を回すことを意識してください。
■岩井千怜
いわい・ちさと/ 2002年生まれ、埼玉県出身。ツアー1年目の22年から毎年2勝を積み上げツアー通算6勝。飛んで曲がらないショットに加え、アプローチやパットの精度も高く、ロングゲームからショートゲームまで穴がない。岩井明愛は双子の姉。Honda所属。
■大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務めてツアーを転戦。スイング理論に精通し、ジュニアゴルファーの指導も行うなど、多方面で活躍している。プロゴルファーの大西葵は実の妹。
◇ ◇ ◇
●アマチュアが苦手なバンカーショット。関連記事の【バンカーの新セオリー!? 岩井千怜はスクエアスタンスでインから下ろす】では、岩井千怜の従来のセオリーとは違うバンカーの打ち方を解説している。