アマチュアゴルファーがミスショットするときに起こりがちな、アウトサイド・イン軌道でのスイング。球が初めから左に飛び出してしまうなど、スコアに影響を及ぼすミスが起こりやすい。かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏は、「インサイドから振り下ろせるようになるために、右手一本で打ってみましょう」という。右手打ちするだけでインから下ろせるようになるの？

「せっかくトップまではいいスイングプレーンを作っていても、ダウンで切り返した瞬間、右肩が前に出るとクラブは外側から下りてきてしまう。アウトサイド・イン軌道になり、左に飛んでしまいます。これを直すには、右手一本で打つのが効果的。右肩を前に押し出す振り下ろし方では、右ヒジと右腰骨の間に大きな空間ができてしまいます。そうならないように右ヒジを右腰骨に引き付けて、この空間を一気になくすようにダウンスイングしてください」

右ヒジを右腰骨に近づければ、自然とクラブが体の近くを通る。つまり、インから下ろせるというわけだ。でも、右手だけで振るのは安定しないし結構難しい。

「無理に大きく振り上げる必要はありません。振れる範囲の幅でやってみてください。また、片手だけでは頼りないからといって、右手にガチガチに力を入れるのも良くありません。ポイントは力ではなくリズムで打つことです」

なるほど、リズムを意識すると腕の無駄な力が取れて、クラブを自然と振れるようになった。それに球がストレートになってきた。

「安定して真っすぐ打てるようになったら、両手でクラブを握り実際に打ってみましょう。このとき、よりインサイドからコンタクトするイメージを身に付けるために、ボールの前方と後方のアウトサイド・イン軌道上に障害物（ボール）を置き、その障害物に当たらないように球を打ってみてください。正しいスイング軌道であれば、球だけにしっかりクラブをコンタクトできるはずです」

ボールが真っすぐ飛ばない、アウトサイド・イン軌道になっているという人は、右手一本打ちで右手の正しい振りを覚えるといいだろう。右ヒジをしっかり右腰骨に寄せられれば、理想のインから下ろすスイングを手に入れられるはずだ。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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