優勝者のスイング
10年後も飛ばしたいなら、神谷そらの大きなトップを真似しよう!【優勝者のスイング】
今年4月の「フジサンケイレディス」でルーキー一番乗りとなるツアー優勝を果たし、今度はメジャーを制した神谷そら。そのスイングをひも解いてみよう。
配信日時:2023年9月11日 09時07分
「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で、最終日に「68」をマークし、逆転で大会史上6人目となる初出場・初優勝を決めた神谷そら。終盤の16番をボギーとしたものの、続く17番パー3のティショット、ラフからとなった18番のセカンドと、共にピンを果敢に攻めるショットを見せパーセーブ。ルーキーシーズンでの2勝目をメジャーで飾った。
そんな神谷のスイングを見て、「とにかく振り抜きが良いですね。“振れば曲がる”が飛距離の出る選手のウィークポイントですが、彼女のスイングからは迷いが感じられません」というプロコーチの南秀樹に、われわれも真似したいポイントを解説してもらった。
ルーキーながら2勝目を飾った神谷の魅力は、現在259.69ヤードで1位の飛距離にある。「春先に比べると、トップはややコンパクトに、トップで左に乗るリバースっぽい動きも収まっている印象を持ちました。コンパクトに振っても飛距離が出ることや、ツアーを転戦し、フェアウェイに置く大切さを感じてのことだと思います。ただ、ダウンスイングからインパクト、フォローにかけての振り抜きの良さは相変わらず。腰のキレ、回転の早さ、全身を使って振りにいく思い切りの良さは、見ているギャラリーにも伝わりやすい、彼女の魅力だと思います」。ティショットを左に曲げた18番も「気持ちよく振れたからオッケーだと思った」(神谷)と、しっかりと振ることを心がけたと振り返っている。
飛距離を生んでいるのは、多少コンパクトになったといっても大きなトップにある。そして、「10年後も飛距離を維持したい、もっと飛ばしたい」と願うわれわれアマチュアが真似したいのも、この大きなトップだ。「トップを上げることを嫌がると、飛距離は年齢とともに落ちてしまいます。トップが大きければ、シャフトのしなりが使えて、体力以上の飛距離が期待できますから。年齢を重ねると、大きなトップを小さくすることは簡単でも、小さなトップを大きくするのは難しくなります。また、ティグラウンドに立てば、『真っすぐ行かせたい』と思ってトップは小さくなるもの。飛ばしには、普段の練習から大きなトップを意識することが大事なんです」。
大きなトップを作るには、バックスイングで腕を上げることを意識したい。「オーバースイングがダメなのは、トップでシャフトがクロスした結果、クラブが極端にインサイドから入ること。こうなるとインパクトでフェースが開いてボールがつかまりません。大きなトップを意識した際には、シャフトがターゲットの右を指すクロストップになっていないかチェックしましょう。クロスしていたら、その原因は手首の使い過ぎにあります。もっと腕を上げるようにしてください」。
手首の使い過ぎを抑えるには、力感も大切。自分なりに強、中、弱と極端に力の入れ方を変えて鏡でチェックしたり、スマホで撮影したりすると、大きなトップでもシャフトがクロスしない理想の形がつかみやすくなる。10年後の飛距離のために、トップを変えるのは、今かもしれない。
南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属
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