「手元が浮かない」 マスターズではS・シェフラーと久常涼の左サイドで引っ張るスイングに注目!
ティーチングプロの永井延宏氏が「最近増えてきた」と話すのは、とにかく脱力して振ろうとするゴルファーだ。手元が浮いてフェースが開きスライスが出る。そんな人はスコッティ・シェフラー(米国)と久常涼の左サイドで引っ張る動きを参考にしよう。
配信日時:2024年4月10日 22時30分
ティーチングプロの永井延宏氏が「最近増えてきた」と話すのは、とにかく脱力して振ろうとするゴルファーだ。「ラウンドレッスンをしていると『コースに行くと力んじゃうから、力まないことを心がけています』という人が多いんです。実際にはクラブが離れていく力で手元が浮いてミスしている」。
特に大型ヘッドドライバーでは、クラブが離れようとする力や、フェースが開こうとする力が強くなるため、脱力し過ぎるとボールをつかまえることができない。「最下点も右にズレてボールは飛ばなくなる。手首が伸びてフリップという動きが入るので、効率よく力を伝えることができません。遠心力と逆向きの向心力はセットなので、手で引っ張り返す力が必要なんです」。
永井氏が引っ張る動きが上手い選手として挙げるのは、世界ランキング1位で2022年のマスターズを制しているスコッティ・シェフラー(米国)と、特別招待でマスターズに初出場する久常涼だ。
「シェフラーのスイングは左サイドの運動量がとても多く、個性的ですけど芸術的でもある。そして日本人では久常選手も左サイドの使い方が上手い。だから手元が浮かないのです。今は引っ張れる選手が強いと言えます」
左サイドでクラブを引っ張る動きを身に付けるために、永井氏が取り出したのはグリップエンドに“輪っか”をつけたクラブ。ここに量販店でも売っているトレーニング用のゴムバンドを通して使う。「右手はクラブ、左手はゴムバンドを握り、アイアンの小さな振り幅でボールを打ちます。そのとき、シャフトの延長線上に左手で引っ張り続けるのが約束事。左手を止めて右手を動かすのではなく、右手を止めて左手を引っ張ると手元が浮きません」。
“左手を止めて右手を動かす”とは、グリップエンドを支点に振るスイング。ロフトが寝て飛ばない人は、グリップエンド支点の意識を捨て、左手で引っ張ることでロフトが立って下りてくる。マスターズでシェフラーや久常のプレーを観ながらイメトレしよう。
■永井延宏
ながい・のぶひろ/1969年生まれ。埼玉県出身。95年からレッスンを開始し、ツアープロコーチも経験。ティーチングプロを教える先生でもある。YouTubeチャンネル「永井延宏のDEEP IN GOLF」でレッスン動画を配信している。
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