低いトップはパワーがないと無理!? 木村彩子が昨年から“高いトップ”に改造していた!
南が指導している木村彩子は、昨年から“高いトップ”に改造していた。
配信日時:2024年6月14日 00時12分
低いトップからクラブを寝かせて下ろす『シャローイング』を取り入れているプロは多い。しかし、プロコーチの南秀樹は13日(木)発売のゴルフ雑誌ALBA894号の中で「アマチュアがやると右プッシュやシャンクが出ます」と話している。実際、南が指導している木村彩子は、昨年から“高いトップ”に改造していた。
「木村プロはもともとトップの位置が低く、胸の面がつぶれてクラブを下ろす空間、“ふところ”がなくなるため、クラブが下から入りやすかった。ティアップしているドライバーは打てても、ラフからのアイアンは下から入りすぎて打てない。レイアップするしかなかったんです」
木村は2022年の「アース・モンダミンカップ」でツアー初優勝を飾っているが、4日間のフェアウェイキープ率が1位で、「あまりラフから打っていない」という要素もある。
「このままでは戦えない」。昨シーズンの途中から高いトップに取り組み、「ラフからダウンブローに打てるようになってきました」。ドライバーでは高いフェアウェイキープ率を維持したまま、飛距離も上がっている。昨季のフェアウェイキープ率は73.8%で8位、ドライビングディスタンスは231.6ヤードで80位だったのが、今季はフェアウェイキープ率が75.4%で6位、ドライビングディスタンスが233.9ヤードで57位となっている。
「世界を見渡しても、低いトップで活躍しているのは、下半身のパワーを使って下ろしていける男子選手ばかり。それに対して、女子の世界ランキング上位は高いトップの選手が多い。普通の体力のアマチュアには断然高いトップがオススメです」
実際に女子の世界ランカーのトップ・オブ・スイングを見てみると、世界ランキング1位で今季6勝を挙げているネリー・コルダ(米国)をはじめ、同3位のセリーヌ・ビュティエ(フランス)、同7位のコ・ジンヨン(韓国)、同10位のミンジー・リー(オーストラリア)、同11位のアタヤ・ティティクル(タイ)はトップが高いことが分かる。
では、“高いトップ”にはどんなメリットがあるのか。改めて南に聞いてみた。
【メリット1】クラブを下ろす“ふところ”ができる
「一番のメリットはクラブを下ろしていく“ふところ”ができること。低いトップで下ろす空間がつぶれてしまうと、クラブが下から入りすぎてドライバーでは右プッシュ、アイアンではシャンク、手でこねればチーピンも出ます」
【メリット2】非力でも重量を利用して下ろせる
「手元を低い位置に下ろしてぶ厚いインパクトを迎えるには、高い所から重力を利用して下ろしたほうが効率的です。低いトップでは反対にインパクトで手元が浮きやすい。当てにいくスイングで振り切りも悪く飛距離も出ません」
【メリット3】シャフトのしなりを使える
「高いトップは切り返しでシャフトのしなりを感じやすく、インパクトではムチのようにしなり戻りを使って強く叩けます。ドライバーではアッパーに当たり球を上げやすい。低いトップではしなりを感じにくく、ボールも低く出ます」
【メリット4】ドライバーもアイアンも同じスイングで打てる
「低いトップはドライバーが良くてもアイアンはダフりやすい。高いトップでダウンブローに打ちたいアイアンはボールを真ん中、アッパーブローに打ちたいドライバーは少し左に置いて、同じスイングで軌道を変えるのがシンプルです」
と良いことばかりだが、年齢が高いゴルファーほどトップは低くなりがち。「それが飛距離が落ちる原因の1つとなっている」と南は指摘する。だからこそ、「オーバースイングになっても構わないから、大きなトップを目指して練習するべきです」。
■南秀樹
みなみ・ひでき/74年生まれ。香川県出身。プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、名門・香川西高校卒業後にティーチングの道へ。現在は木村彩子のコーチを務めるほか、地元の香川を中心にレッスン活動を行っている。新宿中央クリニック所属。
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