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    スイングに“重さ”が加わり、過去イチ飛んでいる石川遼 どう変わった?

    日本オープンで熾烈な優勝争いを演じ、単独2位フィニッシュとなった石川遼。今季初優勝はならなかったが、5度目の一桁順位と調子は上向きだ。そのスイングをプロコーチはどう見るか。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2023年10月17日 09時08分

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    • 石川遼
    • ドライバーレッスン
    日本オープンで熾烈な優勝争いを演じ、単独2位フィニッシュとなった石川遼。今季初優勝はならなかったが、5度目の一桁順位と調子は上向きだ
    日本オープンで熾烈な優勝争いを演じ、単独2位フィニッシュとなった石川遼。今季初優勝はならなかったが、5度目の一桁順位と調子は上向きだ
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    先週行われた日本オープンで、2位で競技を終えた石川遼。2打差を追った最終日は、ボギー発進となったものの、前半をイーブンパーで折り返すと、14番パー3でピン傍1メートルにつけるスーパーショットを放つなど、最後まで見せ場を作りファンを楽しませた。そんなスイングをプロコーチの南秀樹が解説。われわれアマチュアに、参考になるポイントも聞いてみた。

    今季のスタッツを見ると、目を引くのが307.18ヤードで9位のドライビングディスタンスだ。300ヤード超は、2019年(300.92ヤード)と、2020-21シーズン(300.16ヤード)に記録しているが、現在の数字を維持すると2008年のプロデビュー以来、一番飛んでいるシーズンとなる。もちろんギアの恩恵を受けている部分もあるだろうが、スイングでも飛距離を伸ばしているポイントがある。「以前に比べてフラットさが消えていて、ヘッドが縦に動くようになったので、サイドスピンが減り、キャリーが伸びているのだと思います」と南。まずはバックスイングの動きに言及する。
    (※データは10月17日現在のもの)

    「始動からやや外にクラブを上げて、シャフトが地面と平行になる位置では、体から右ヒジが離れていき、懐に空間ができています。クラブを外へ、遠くへ上げることでフラットになりにくく、遠心力も増加。動きもシンプルになるので飛距離につながります」と、ワイドなバックスイングをポイントに挙げつつ、この動きは難しいと続ける。「クラブを遠くへ放り投げるようにすると、体が起き上がりやすく、起き上がりを意識すると今度は遠くに上がりにくくなります。簡単にやっているようで、とても難しいことなのです」。

    もうひとつ、ダウンスイングからフォローにかけての右ヒザの使い方もフラットさがなくなった要因に挙げる。「以前はレベルに打とうと、ダウンで右ヒザがボール方向に出ていました。こうなると、右足のカカトが浮き、手元も浮いてクラブが寝る原因に。一方、現在は右ひざが前に出ることなく、その場で回っていて、手元が浮かずクラブが縦に動くのです」。
    このヒザの動きはボールがつかまらないと悩むゴルファーには参考になるポイントだ。動きを覚えるには、シューズ半分ほど右足を引いたクローズスタンスで練習するといい。「いつものバックスイングから、フォローは振り切らず、スリークォーターで止めるように、クラブを放り投げるようなイメージで振ってみてください。右ヒザがその場で回れば、手元が浮かず、ヘッドも加速。ヘッドと右サイドが引っ張り合う感覚が得られるでしょう」。

    さらに、体重移動の仕方にも変化が見られるという。「以前は右から左へと体重移動する際に、下へ踏み込むような動きがありましたが、いまはその踏ん張り感が減っています。沈み込んでジャンプする縦の動きも爆発的な力を生みますが、ゴルフは横の回転が入るもの。いまは踏ん張らなくても、クラブと体との引っ張り合いができています」と、体の強さも感じるスイングだという。

    ワイドなバックスイングから右ヒザをその場で回転させることで、オンプレーンな軌道を描き、真っすぐ遠くへ飛ばす石川遼。「若い時はスピード溢れるスイングでしたが、いまはいい意味で重さが出ていて、無理なく自然体で振っているように感じます」と南。今後のプレーにも注目だ。

    南秀樹
    プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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