世界No.1のスコッティ・シェフラーは踏ん張らないから強い!?【世界基準の飛ばしテク】
「マスターズ」を含む今季4勝を挙げている世界No.1のスコッティ・シェフラーの変則スイングを、奥嶋誠昭氏が解説する。
配信日時:2024年5月28日 22時42分
瞬く間に速く美しく振り抜いていく、世界のトップ選手たちのスイング。決して真似はできないけど、見ているだけでワクワクしてくる。今回、取り上げるのは正確なショットを武器に「マスターズ」を含む今季4勝を挙げている世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)。ボーリング選手のように右足を後ろに動かす変則的なスイングを、奥嶋誠昭氏が解説する。
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スイングアークは大きく取るけど、無理をしていないスイングです。それがトップで左ヒジが曲がるところであり、足が暴れるところ。踏ん張っていないんです。それでいて地面反力も使えていますし、左右にも上下にも動いて、ターンも入る。それらのバランスがいいから飛距離も出ます。
アドレスでは右ツマ先を少し開いて、左ツマ先は閉じ気味に立っています。右ツマ先を開くことで可動域が増えて、バックスイングで深く捻転することができる。また、左ツマ先を閉じれば体が開きにくくボールがつかまります。
多くの人が感じているように足の動きは不思議です。PGAツアーの多くの選手は右カカトが上がってから、右足が左に倒れていきますが、シェフラーは逆に倒してからカカトが上がる。一般的に体重は右足と左足の内側で動きますから、左足に寄っていくのはおかしい動きではありません。
シェフラーは本当に力んでいないのだと思います。そうでないとアイアンを高精度でコントロールできない。トップで左ヒジをピーンと伸ばそうとして余計な力が入るよりは、少しゆとりを持たせてほうが力みが取れますし、捻転するのも楽です。足の動きは別として、トップ選手のなかでは真似しやすい動きと言えます。
■奥嶋誠昭
おくしま・ともあき/1980年生まれ、神奈川県出身。これまでに稲見萌寧や木下稜介のコーチを務め、2021年の東京五輪では稲見のキャディとしてバッグを担ぎ、銀メダル獲得をサポートした。現在は横浜市にあるスタジオ、『THE REAL SWING GOLF STUDIO』でプロやアマチュアの指導を行っている。
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●東京五輪の金メダリストでもあるザンダー・シャウフェレ(米国)は身長178センチとPGAツアーでは小柄ながらも、5月に優勝した「全米プロ」では平均310.1ヤードを記録している。効率よく飛ばせるスイングのポイントとは? 関連記事の【効率よく打つセンスの塊! 全米プロ覇者・シャウフェレは“不動の上半身”でパワーを逃がさない】をチェックしよう。