「シャフトクロスは直さないとダメ！」「頭を動かしちゃダメ！」「地面反力を使おう！」など、さまざまなレッスンがあるものの、その理論があなたに当てはまるとは限りません。人によって合う合わないがあるのです。川崎志穂プロなどを指導するレッスンプロ平尾貴幸氏は「パワーコネクティングで診断すれば、あなたの力を最大限に引き出すスイングを見つけられます」といいます。

「パワーコネクティング」とは？

平尾：パワーコネクティングはトレーナーの木村匡宏さんが1,500名以上のアスリートのデータを元に開発した、パフォーマンスを向上させるメソッドです。私はそれをゴルフスイング版にアレンジして、女子プロの川崎志穂プロなどに教えています。

パワーコネクティングは今までのゴルフレッスンと異なり、100人いれば100通りの打ち方があるという考え方です。1人ひとりの体には個性があって、力が入りやすい角度や体に負担が少ない姿勢が異なります。今回は、川崎プロにモデルとなってもらいながら、あなたに合ったスイングが見つかる診断方法をお伝えしたいと思います。

川崎：いろいろなスイング理論があるなかで、自分に合うものを選択するのは大切ですよね。私も自分に合わない動きを取り入れてイップスになってしまったこともありました。この診断で自分に合うスイングを見つければ、無理なくスイングできるようになってスコアアップ間違いなしです！

平尾：まずは診断するにあたって、パワーコネクティングの基本姿勢をご紹介します。両ヒジを体に付けて約90度に曲げます。腰は少し落として、重いモノを引っ張りやすい姿勢を取ってください。各診断で予備動作を行ったら基本姿勢を取って誰かに引っ張ってもらうと、力が入っているかどうか分かります。全部で16診断ありますので、紙とペンを用意してメモしながら進めてくださいね。

【まずはお試し診断！】

診断1：地面反力を使える？ 使えない？

平尾：ゴルフ雑誌やYouTubeでもよく話題になる地面反力。アクシャイ・バティア（米国）選手のように、地面反力を使って細くても飛ばしている選手がいる一方で、一部からは否定的な意見もあります。

川崎：正直、私は地面反力を使うという感覚がありません。ただ、女子プロでも地面反力を使って飛ばしている人もいるので、やっぱり合う、合わないなのかなと。

平尾：その通り！ 「パワーコネクティング」なら、あなたが地面反力を使っても良いタイプなのか、使っても合わないタイプなのかを診断できますよ。早速やってみましょう！

まずはヒザを曲げた状態にしたら、足を伸ばしながら両手を上げてバンザイしてみてください。2、3回くらいやったら、基本姿勢を取ってもう1人に引っ張ってもらいましょう。次に、ヒザを伸ばした状態から、足を曲げながら両手を上げてバンザイしてください。同じように、2、3回やって基本姿勢を取ったら引っ張ってもらいましょう。そうすると、どちらかは引っ張られてもしっかり耐えられますが、もう一方の姿勢では力が入らず動いてしまいます。さて、あなたはどちらでしょう？