夏のラフに勝つ!グリーン周りのアプローチを完全攻略【状況別のラフ攻略方法も解説】
夏ゴルフで特に厄介なのが、グリーン周りのラフ。普通に打つとグリーンの手前にボールがポトリ。だからといって思い切り振ると、コツンと大オーバーになることも。距離感を合わせるどころか、グリーンに乗せるのさえ難しい状況になってきます。しかしながら、パーオン率が低い初・中級者の方が、プロや上級者に比べて、グリーン周りのラフにつかまる確率は高いのです。となると、ラフでのミスを少なくすることは、スコアメイクの鍵になるとさえいえるでしょう。
配信日時:2024年6月20日 05時45分
- 1.グリーン周りのラフからのアプローチが難しい理由
- 2.グリーン周りのラフでのクラブ選択と基本的な打ち方
- クラブ選択:クラブの中で最も重いSWを使う
- 基本的な打ち方:ボールを高く上げる
- 3.グリーン周りのラフから上手く脱出するための6つコツ
- 【1】ラフの状況を確認する
- 【2】素振りをして振り抜き具合を確かめる
- 【3】グリップは強めに握る
- 【4】フェースを開いて構える
- 【5】上半身の大きな筋肉でスイングする
- 【6】振り幅を決めたらその通りに打つ
- 4.状況別ラフの打ち方
- ◆深いラフに沈んでいる
- ◆深いラフに浮いている
- ◆浅いラフに沈んでいる
- ◆浅いラフに浮いている
- ◆逆目のラフ
- ◆芝の向きが横目のラフ
- 5.グリーン周り「以外」の深いラフからの打ち方
- ◆ボールが沈んでいるライ
- ◆ボールが浮いているライ
- 6.まとめ
1.グリーン周りのラフからのアプローチが難しい理由
フェアウェイ(花道)からのアプローチに比べて、グリーン周りのラフからのアプローチが難しくなるのは、インパクトでフェースとボールの間に芝が挟まったり、ヘッドに芝が絡んだりするからです。
芝が挟まるとボールに直接コンタクトできないため、スピンがかからなくなります。また、芝が絡むことによって、ヘッドスピードが減速して飛ばなくなったり、フェースの向きが変わって方向性が悪くなったりします。
さらに、打ち出されたボールが、芝の抵抗を受けて飛ばなくなることもあります。だからといって強く打ち込んでしまうと、こんどは飛び過ぎてしまうこともあるのです。
2.グリーン周りのラフでのクラブ選択と基本的な打ち方
グリーン周りのラフでは、フェアウェイと同じクラブ選択、同じ打ち方をしていては、イメージした通りの球筋にならないし、距離感もあいません。
つまり、ラフではそれに適したクラブを使い、ラフ用の打ち方をしなければいけないということです。
クラブ選択:クラブの中で最も重いSWを使う
グリーン周りのラフではサンドウェッジ(SW)を使うことをオススメします。重さのあるSWなら当たり負けが少なくなり、強めに振らなくてもボールが飛び出してくれるからです。
また、ロフトのあるSWの場合、ボールの打ち出し角も高くなるので、その分、ボールが受ける芝の抵抗も少なくなります。
基本的な打ち方:ボールを高く上げる
グリーン周りのラフからはボールを高く上げるイメージで打ちましょう。スピンがかからない分、ボールを止めるためには高く上げることが必要になってくるからです。
また、打ち出し角を高くすることによって、ボールも芝の抵抗を受けにくくなります。
3.グリーン周りのラフから上手く脱出するための6つコツ
グリーン周りのラフでは、芝の深さや、ボールの位置によって打ち方は若干変わってきますが、基本的に守らなければいけないコツがいくつかあります。まずはそれを紹介しましょう。
【1】ラフの状況を確認する
グリーン周りのラフに入ってまずやるべきは、ラフの状況を確認することです。“ラフ”と言ってもその状況は様々。それによって打ち方も変わってくるからです。
「深いか浅いか」「ボールが浮いているか沈んでいるか」「芝が順目か逆目か(場合によっては横目もあり)」の3ポイントは、絶対に確認するようにしましょう。
【2】素振りをして振り抜き具合を確かめる
グリーン周りのラフに入って必ずやって欲しいのは、振り抜き具合のチェックです。見た目は同じようなラフでも、芝質によって、また芝の密度によって振り抜き具合が変わってくるからです。
できるだけボールのあるところから近いところで2~3回素振りをして、ヘッドがどういう抜け方をするか確かめましょう。経験が浅くて、それが素振りをしてもそれがどのくらいの抵抗なのか分からない場合でも、何となくどのくらいの強さで振ればいいかが分かってきます。
【3】グリップは強めに握る
ヘッドに芝が絡んでもフェース面がブレないように、また、芝の抵抗でヘッドスピードが落ちないように、グリップは強めに握りましょう。そうすれば当たり負けせずに振り抜くことができます。
【4】フェースを開いて構える
グリーン周りのラフではフェースを開くことが大事です。その理由は、ヘッドに芝が絡むとフェースが返りやすくなるからです。あらかじめ開いておけば、多少フェースが返ってもボールは真っすぐ飛びます。
フェースを開くときに気をつけなければいけないのは、フェースを開いてからグリップをすること。グリップをしてからフェースを開くと、インパクトではフェースが被った状態になるので注意しましょう。
なおフェースの開き具合は、ラフの状況にもよりますが、自分から見てトゥが時計の針の1~2時になるように開くのが基本です。
【5】上半身の大きな筋肉でスイングする
短い距離なのでついつい手先で打ってしまいがちですが、大きな筋肉を使って打つ意識を持ちましょう。手だけで打つと芝の抵抗も大きくなり、大きなミスにつながります。
【6】振り幅を決めたらその通りに打つ
振り幅を決めたらその通りに打ちましょう。振り幅を決めても、いざ打つときに、「ちょっと大きい(小さい)かな」と思うことがありますが、そうするとインパクトで緩んだり、力が入ったりしてミスにつながります。
また、バックスイングとフォロースルーは5対5のイメージでスイングすると緩むことがなくなります。左右対称を意識して、しっかりスイングしてください。
4.状況別ラフの打ち方
ラフが深いか、浅いか、またボールが沈んでいるか、浮いているか、さらに芝が順目か逆目かによって、ラフの打ち方は変わってきます。状況ごとのポイントを覚えて、その状況に適したクラブ選択、攻め方をしましょう。
いずれも基本的にはグリーン周りのラフ攻略を想定しています。
◆深いラフに沈んでいる
まず考えるべきは、ラフの長さに惑わされず、ヘッドをボールの下まで届かせること。そしてしっかり打つこと。強く、速くヒットするために、グリップを長くゆるめに持ってヘッドを走らせましょう。「寄せよう」とするのではなく、「脱出できればOK」くらいのつもりで打つことが大事です。
◆深いラフに浮いている
クラブを短く持って、ティーアップしているボールを打つようなイメージで打ちましょう。ボールが浮いていれば、芝の抵抗も少なく、ある程度コントロールもできます。
気をつけなければいけないのは、ボールの下をヘッドが潜る、いわゆる“だるま落とし”にならないこと。そのために、フェースを開き過ぎないことも大事です。
◆浅いラフに沈んでいる
ボールをヘッドの下に届かせることは深いラフと同じですが、深いラフとは異なり、グリップを強めに握り、ボールを右目に置いてしっかり打ちましょう。特に夏場の芝の抵抗は思ったより強いので、浅いからといって油断をせずに、脱出優先で打ちましょう。
◆浅いラフに浮いている
ボールが浮いている分、クラブを短めに持って打ちましょう。クリーンにヒットしやすいライですが、フェアウェイに比べて芝の抵抗があるのでスピンが減ることは忘れずに。また、このケースでもだるま落としの危険があるので、ヘッドが下を潜らないように注意しましょう。
◆逆目のラフ
逆目の場合は、順目以上に芝の抵抗を受けやすくなります。だからといって、無理に鋭角に打ち込もうとせず、芝が絡まって飛距離が落ちる分を計算してしっかりスイングすることが大事です。
また、ライ角は地面に対して合わせるか、少しヒール側を浮かせ、ややトゥ側でボールをとらえるイメージで構えて打ちます。そうすれば、インパクトでフェースがグラつかず、抵抗を軽減できます。
◆芝の向きが横目のラフ
芝が横向きの場合は、順目方向のスイングになるように軌道を少し変えるというのがコツです。具体的には、芝目が左から右に流れている場合はインサイド・アウト、右から左に流れている場合はアウトサイド・インの軌道で振るようにしましょう。
5.グリーン周り「以外」の深いラフからの打ち方
夏場になると、フェアウェイサイドのラフも長くなると同時に密集してきて、フェアウェイのように打つことが難しくなります。
フェアウェイサイドのラフのケースにおいても、まずは状況をよく確認して、その状況に適したクラブ選択、攻め方をしましょう。
◆ボールが沈んでいるライ
ボールが沈んでいるときは、大きめのクラブで脱出を優先させましょう。例えグリーンまでの距離が150ヤード前後あっても、ショートアイアンやウェッジでまず出すことが大事です。
ラフがそこまで深くないときは、UTを使うのも一つの方法です。短く持って素振りをして、芝にくわれる度合いが大きいときはより短く持ち、ボール半個分右に置いてコンパクトに打ちましょう。チョロっぽい球筋になりますが、ランも出るので飛距離を稼ぐことができます。
◆ボールが浮いているライ
ボールが浮いている場合は、沈んでいるときよりも比較的飛距離が出ます。ただ、ボールが浮いているということはツマ先上がりの状況と同じなので、球がつかまりやすくなって左に引っかけることもあります。
それを想定して、右を向くこと。また、クラブを短めに持ってフェースを返さないように打つことも大事です。
フライヤーとドロップ
ラフからのショットで注意したいのは、フライヤーとドロップです。いずれもスピンが効かないことによって起こる現象ですが、フライヤーは飛び過ぎ、ドロップは失速して飛距離が出ないボールのことをいいます。どちらも飛距離の制御が重要なショットでは致命傷になるので注意が必要です。
一般的に、フライヤーはヘッドスピードが速いに人に、ドロップはヘッドスピードが遅い人に起こりやすい現象です。
特にフライヤーはグリーンを大きくオーバーしてしまうことがあるので、注意が必要です。対策としては、1~2番手ロフトが大きい番手にする、クラブを短めに持ってコンパクトに振ることです。
また、ドロップに関しても、深いラフの場合は、短めの番手でしっかり振ることを心掛けてください。
ゴルフのフライヤーについては、「ゴルフのフライヤーとは? 飛距離が伸びすぎる原因と対処法」をご覧ください。
6.まとめ
本記事では、グリーン周りのラフを攻略するためのクラブ選びと打ち方を紹介しました。
ラフに限らず、アプローチは経験が重要だといわれていますが、基本的な知識を持っていれば、とにもかくにも落ち着いて対処することができます。そのためにも、まずは基本をしっかり抑えておきましょう。
また、経験を生かすためにも、「どんなラフで、どんな打ち方をしたら、どんなボールが打てたか」ということを、必ずフィードバックすることが大事です。そうすれば、ラウンド回数が少なくても、確実に上達していくはずです。