心理学的に「笑いながらは泣けない」 これをゴルフに応用するとメンタル最強になれる!
「ミスを引きずるな」とよくいわれますが、ミスの記憶を消し去ろうしてもなかなか消えないもの。ミスを忘れるためには、自信に満ちた態度や仕草が必要だ。
配信日時:2024年6月26日 04時30分
アメリカのあるバラエティショーで、一般の人々をスタジオに集めて、「1分以内に悲しみの涙を流した人には1万ドルを差し上げましょう」という実験が行われました。ただし、単に“涙を流せばいい”というのではありません。「笑顔の表情を浮かべながら悲しみを呼び起こして涙を流せ」という条件がありました。
参加者は1万ドルのため、笑顔を作りながら悲しい出来事を思い出し、涙を流す努力をしたのですが、賞金獲得者はゼロでした。
なぜ誰も課題をクリアできなかったかというと、「感情が行動を支配する」のではなく、「行動が感情を支配する」からです。もう少し分かりやすくいうと、皆さんが思っているように、「悲しいから涙が出る」のではなく、実は、「涙が出るから悲しくなる」のです。
「そんなばかな」と思われる人は、笑顔を作りながら悲しい出来事を思い出してみてください。誰にでも一つや二つ、「あのことを思い出せば涙が出る」ということがあると思いますが、笑顔を浮かべながらでは涙がこぼれないはずです。
実はゴルフのトッププロたちは、これと同じメンタルテクニックをマスターしています。彼らが身に付けているのは、「激しく落ち込むようなショットを打ったときでも、自信に満ちた表情と仕草を失わない」というテクニックです。とんでもないミスをして、「オレって何て下手くそなの」と思っても、態度や仕草が自信に満ちていれば、“落胆”という感情は自然と消えていき、ショックを引きずることなく次のショットが打てるのです。
次にラウンドするときは、自分がスコッティ・シェフラーにでもなったつもりで、どんなミスをしようが堂々とした態度でプレーをし続けてみてください。例えゴルフの調子が悪くても、スコアはアップするかもしれませんよ。
■児玉光雄
追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』892号より抜粋
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