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    上田桃子・吉田優利・渋野日向子らが実践 辻村明志コーチ「バンカーで30ヤードのドロー回転を打つと飛距離アップ」【四の五の言わず振り氣れ】

    2007年の賞金女王・上田桃子を始め、吉田優利、渋野日向子らそうそうたるメンバーが集う『チーム辻村』。合宿ではバンカーショットの練習を徹底して繰り返すが、決してガードバンカーのためだけではない。30ヤードのドローを打つことで、ドライバーの飛距離アップも可能になるという。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年6月21日 11時30分

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    • 上田桃子
    • 吉田優利
    • 渋野日向子
    六車日那乃は必ずバンカーで打ってからショット練習に入る。薄いドローを打つ動きを繰り返すことで、体を使って打つコツを覚える
    六車日那乃は必ずバンカーで打ってからショット練習に入る。薄いドローを打つ動きを繰り返すことで、体を使って打つコツを覚える
    • 2人の研修生は、バンカー打ちをすることで、ボフ、パフという音がスタンッという澄んだ音に変わってきたという
    • チーム辻村でプロ入りを目指す千田萌花のSW。毎日バンカーで練習するため、砂と接触してバンス部分が凹んでしまっているのがわかる
    • バンカーでドロー回転の球が打てれば、渋野のように上からボールを捉えられるようになる。シャクリ打ちなどのミスはなくなるという
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    2007年の賞金女王・上田桃子を始め、吉田優利、渋野日向子らそうそうたるメンバーが集う『チーム辻村』。合宿ではバンカーショットの練習を徹底して繰り返すが、決してガードバンカーのためだけではない。30ヤードのドローを打つことで、ドライバーの飛距離アップも可能になるという。

    右肩が下がらないから上から捉えられる! 渋野日向子のスイングを写真でチェック

    ◇ ◇ ◇

    プロとアマチュアの違い、あるいは勝てるプロと勝てないプロの違い、もっといえば男子も女子も海外で活躍する選手と日本ツアーの選手との違いはなんでしょうか? すぐに体の大きさや飛距離、という人がいます。しかし、それは僕には言い訳にしか聞こえません。なぜなら体の大きなアマチュアはいるし、体の小さなプロもいます。「全米プロ」と「全英オープン」でメジャー2勝の快挙を遂げた日系人のコリン・モリカワ(米国)は、ほぼ日本人の平均的な体格。PGAではどちらかと言えば飛ばない選手です。

    では、その差は何かといえば、ボクはバンカーでの技術の差だと答えます。というのもPGAやLPGAでは、ずっとバンカーでボールを打っている選手を何人も見かけます。6年間に渡って米ツアーに挑戦した(上田)桃子プロも、同じことを感じたと言います。そしてロレーナ・オチョア(メキシコ)、ヤニ・ツェン(台湾)、チェ・ナヨン、キム・セヨン(ともに韓国)……といった選手の名前を挙げました。いずれもメジャーチャンピオンになった選手なのは、偶然ではないでしょう。

    そしてもうひとつ大事なのが、バンカーではバンカーショットの練習だけをしているわけではない、ということです。もちろんサンドウェッジ1本で練習するのですが、それが飛んで曲がらないドライバーショットの練習にも、キレのいいアイアンショットの練習にもつながっています。もちろん、フェアウェイバンカーやガードバンカーなどのショットの上達につながっていることは間違いありません。

    オフの宮崎合宿では、徹底してバンカー練習をやらせました。お世話になった光成ゴルフアリーナさんには、チームのために特別にバンカーを作っていただきました。六車日那乃はサンドウェッジ1本をダメにし、一緒にプロテスト合格を目指す千田萌花は、1カ月でバンスの刻印が削れて見えなくなりました。

    では具体的にどんな練習をしていたのでしょうか? 僕が選手たちに命じたのは、30ヤードのドローボールを打たせること。ヒザくらいの高さの低いボールを打たせるのです。バンカーはアウトサイド・インでカット軌道に打つ、という人がいます。もちろん、それもひとつの考え方です。

    しかし、それはガードバンカーでしか通用しない技術で、ある意味、特殊な打ち方です。僕の考えでは、まずイン・ストレート・イン軌道で砂は薄くボールを正確に捉え、可能であればファーストバウンドが左に跳ねる薄いドローボールを求めます。砂が左サイドに飛ぶようでは、まず30ヤードは飛びません。ましてドローボールになるはずもありません。

    ボールを上げようとすると、どうしてもヘッドがアンダーから入り、いわゆるしゃくり打ちと呼ばれる現象が起きます。これがあらゆるショットで、ボクたちが求めるレベルスイングを阻害している要因です。砂が左に飛ぶ選手には、3~5メートル先のネットにクラブを投げさせます。多くの選手は左に飛ぶし、ひどい選手になるとクラブが上や後方に飛びます。手に力が入りすぎているのです。 

    ちなみにアゴの高いガードバンカーで、高く上げてスピンをかけて止まるボールを打つにはどうしたらいいでしょう。これについて僕は、自分でアウトサイド・インに振る動きを覚える必要はないと考えます。上げたいボールの高さ、 かけたいスピン量に応じて、まずは左足を後ろに引きます。ヒザ、腰、肩のラインをツマ先のラインに整えたら、あとはそのラインに沿って振るだけ。左足を引くほど、自然にカット軌道になっていきます。

    高いボールを打ちたければ左足体重に。その度合が強ければ強いほど、ヘッドが上から入ります。あとは打ちたいボールに合わせて、フェースの開きを調整すればいいのです。 なによりバンカーショットで30ヤードの薄いドローで打つ練習は手打ちを防ぎ、腹の力を使って打つ練習につながります。それがドライバーの飛距離、アイアンのキレにつながります。 

    サンドウェッジは「サウンドウェッジ」ともいえます。耳を澄ませて音に集中してください。前出の2人の練習生は、ボフ、パフという音がスタンッという澄んだ音に変わってきました。大きな成長です。なかなかバンカー練習ができない、というアマチュアの方がいます。これも言い訳です。バンカーのある練習場やコースで、練習しているアマチュアをボクはあまり見たことがありません。ネットで調べれば、バンカー練習のできるコースや練習場は山ほどあります。 もう言い訳はやめましょう。

    ■辻村明志
    つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡出身。上田桃子、吉田優利、渋野日向子らを指導し、プロを目指すアマチュアも教えるプロコーチ。荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。元(はじめ)ビルコート所属。
    ※『アルバトロス・ビュー』840号より抜粋し、加筆・修正しています

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    辻村明志【四の五の言わず振り氣れ】

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