短いパー4での2打目や、パー5の3打目で残る100ヤード以内。しっかり寄せたい場面だが、アマチュアゴルファーはスコアを崩しがち。「私が教えている吉田鈴さんは、100ヤード以内の精度が上がったことでJLPGAプロテスト合格につながったと思います」と、コーチを務める今野康晴は話す。 13日(木)発売のゴルフ雑誌ALBA911号にて、100切り、90切り、80切りを目指すために100ヤード以内をどう攻略すべきか教えてくれた。
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吉田鈴さんは飛ぶタイプではないけど曲がりません。パー5のティショットではフェアウェイに打てるのに、2打目のレイアップでラフに行く。自分の好きな距離は「100ヤードです」と言うんだけど、それも案外寄っていませんでした。
そこで4つあるパー5で半分の2個でもバーディを獲れたら良いよねと話して、しっかりレイアップすること、100ヤード以内の精度を上げることに取り組んできました。2年前くらいから100ヤード以内が大事だと本人も分かってきて、パー5でバーディが計算できるようになりましたね。
僕も2005年に賞金ランキング2位に入ったときは、100ヤード以内に自信がありました。試合では、100ヤード以内のブレ幅をなるべく小さくすることを重要視しています。残り90ヤードだけどアゲインストだから92ヤード打とうとか、グリーンが硬いからショートめに打とうとか、傾斜がフックラインだからピンの右に落とせば寄るなとか、良いときは“状況を考えるだけ”。それが先にあって打ち方を決める。プロは1ピンに乗せないと勝負にならないので、感覚的には1ヤード刻みで打っています。
100ヤード以内のウェッジの精度を高めることがスコアアップの近道。3段階に分けてレベルアップしていきましょう。第一段階は「芯に当てる」こと。フルショットで芯に当てられれて、グリーンにとりあえず乗せられれば100は切れます。第二段階は「方向性を出す」こと。グリーンに乗せるだけでなく、左右で1ピン以内に収まるような方向性が出れば90切りが見えてきます。第三段階は「距離感を作る」こと。10ヤード単位で打ち分けられると80切りも夢じゃありません。
■吉田 鈴
よしだ・りん/ 2004年生まれ、千葉県出身。父が今野と同じ東京学館浦安高校出身だったことがきっかけで、中学生のときから指導を受けている。25年はQTランキング36位でツアーに参戦する
■今野康晴
いまの・やすはる/ 1973年生まれ、岐阜県出身。ツアー通算7勝のショットメーカー。2005年には2勝を挙げて獲得賞金1億円を突破、賞金ランキング2位に入った。現在はシニアツアーでプレーしながら、吉田鈴や臼井蘭世のコーチを務めている。京葉カントリー倶楽部所属
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