世界ランク2位のリリア・ヴは体重移動しない!? “左軸打法”でミート率アップ【世界で戦うドラテク】
リリア・ヴの体重移動をほとんどしない左軸打法をプロコーチの森守洋氏が解説する。
配信日時:2024年9月16日 22時40分
世界最高峰の米国女子ツアーでは、ドライバーで平均250ヤード以上飛ばし、70%以上の確率でフェアウェイを捉えてくる選手たちがしのぎを削る。今回取り上げるのはメジャー2勝を含む米ツアー通算5勝のリリア・ヴ(米国)。現在の世界ランキングでは、ネリー・コルダ(米国)に次ぐ2位につけている。体重移動をほとんどしない左軸打法をプロコーチの森守洋氏が解説する。
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先生が「スタック&チルト」※だったのかなと感じさせる体重のかけ方で、完全な左軸で振っています。体重配分はアドレスからずっと7:3くらい。バックスイングでは左ヒザを前に出すことによって右にスライドしないようにしています。
ジャック・ニクラスの先生、ジャック・グラウトの本には「ずっと頭を動かさない」と何度も書いてある。グラウトはずっとニクラスの頭を押さえていた。彼はオーバースイングだけど軸は崩れていないから、グリップの通り道、グリッププレーンが安定しているのです。
僕はクラブの動きを重視しているので、体を揺さぶりすぎてクラブの動きが安定しない人には左足体重で練習してもらうこともあります。右足を後ろに引いてツマ先立ちで構え、クローズスタンスで打つと、左軸で打つ感覚がつかめると思います。
※スタック&チルト
アンディ・プラマーとマイク・ベネットが提唱するほとんど体重移動せずに左軸でスイングする理論。トップでは左に傾き(チルト)、フィニッシュでは逆C字となる。アーロン・バデリーがこのスイングで米PGAツアーに勝ったことで注目を浴びた。また、プラマーとベネットの元で学んだショーン・フォーリーがタイガー・ウッズのコーチを務めていたとき、ウッズもスタック&チルトの動きを取り入れていたことがある。
■リリア・ヴ
1997年生まれ、米カリフォルニア州出身。祖父と母は82年にベトナムから難民として米国に移住。昨シーズンは2月の「ホンダLPGAタイランド」で米ツアー初優勝を達成すると、4月の「シェブロン選手権」、8月の「AIG女子オープン」(全英)とメジャー2勝を挙げる活躍で年間最優秀選手に輝いた。フェアウェイキープ率とパーオン率は70%を軽く超えており、正確なショットを武器とする。
■森守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ。静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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●世界ランキング1位に君臨するネリー・コルダ(米国)は、平均飛距離267ヤード、フェアウェイキープ率72.47%を誇る。関連記事の【松山英樹っぽい!? 世界女王のネリー・コルダは“ネジレ”も最強だった】では、プロコーチの森守洋氏が飛んで曲がらない秘密に迫っている。