メジャー18勝を誇る帝王ジャック・ニクラス(米国)。4大メジャー大会をそれぞれ3度以上制したトリプルグランドスラムも達成している。そんなニクラスのスイングには現代にも通じるシャットフェースの動きがあった。そんな彼のスイングを、プロコーチである奥嶋誠昭が解説する。
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シャットフェースにクラブを使っているのが特徴的なスイングですね。フェースを開かずに上げており、右腰にヘッドが来たときにフェースが真下を向いています。小指側に手首を動かしてリリースすることで、極端にフェースターンするタイプがこの時代には多いですが、珍しいタイプですね。
シャットフェースに上げて手首の動きを抑えることで、インパクトゾーンでのフェースローテーションが少なくなります。スクエアフェースが長く保てるため、より方向性が高まると思いますね。
手首の動きを抑えている分、フットワークを積極的に使って体を回しています。ヒザを前後に使って、体を回転させて緩やかなフェースターンを実現させているのでしょう。
彼のスイングをマネするとしたら、インパクトからフォローにかけて急に手首を返さないことがポイント。フォローでフェースを背面に向けずに、緩やかにターンさせることで、ボールを長く押すことができ、飛距離アップにもつながると思います。
■ジャック・ニクラス
1940年生まれ、米国出身。史上最多のメジャー18勝を誇り、キャリアグランドスラムも達成している。PGAツアー通算73勝、シニアツアーでも4大タイトルを制覇。
■解説・奥嶋誠昭
おくしま・ともあき/ 1980年生まれ、神奈川県出身。2018年からツアープロコーチとなり、日本のトップ選手を多数指導。レジェンドゴルファーのスイングにも精通。
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