グリーン周りの薄芝からのアプローチ[鶴見功樹 50ヤード以内を極める]
アマチュアだけでなく、数多くのプロゴルファーも指導してきた人気ティーチングプロ・鶴見功樹。その人気プロが、アマチュアが最も苦手としていて、一番スコアに直結する50ヤード以内のアプローチに絞ってレッスンを展開する。『鶴見功樹 50ヤード以内を極める!』より
配信日時:2023年6月28日 04時12分
グリーン周りの薄芝からのアプローチ
今回のシチュエーションは、少し大きくてグリーンをオーバーした場合。アンラッキーなことに、芝がなくてボールが少し砂に沈んでいます。
この状況でグリーンが近くにある場合は、非常にデリケートなショットが要求されます。
アマチュアの方が使うクラブとして考えられるのは、パターです。もちろん私も、可能ならば、パターでやろうとします。
ただし今の状況は、ボールの左側(写真はカメラの位置:プレイヤーから見ると左)に芝の盛り上がりがありますので、パターで打った時にそこにぶつかって、いきなり方向が変化したり、距離感がまったく変わってしまったりします。
ですから、こういった沈みがちのディポットやベアグランドのライで、ボールの左側に盛り上がりがある場合は、十分に気をつけなければいけません。
ウェッジの刃でボールを打つ(ヘッドのブレードで打つ)、つまり半分トップさせるような形を考えられる方もいると思います。
しかしいずれにしても、ボールの左側に盛り上がりがある場合は、方向性と距離感が完全になくなってしまいます。
簡単に寄せられそうなものが届かなかったり、または意識しすぎて強く打ち出してしまったり、そういったことが起きる傾向があるので気を付けてください。
薄芝からは「オフグリーンパット」でアプローチする
こういうライの場合、私なら「オフグリーンパット」という打ち方で対応します。
この「オフグリーンパット」というのは、アイアンのウェッジのトゥの部分を使ってボールにコンタクトし、グリーンに転がしていくというショットです。
そのためには、今押さえている人さし指の部分が一番低くならなければいけないので、クラブのシャフトがアップライトに縦になる必要があります。
ですから、通常のライ角ではなく、アップライトに構えることが必要です。
このシャフトの形に似ているもの、約70度くらいのライ角度のクラブを思い浮かべて頂きたいのですが、実はパターなのです。ですから、パターと同じ握り方で打つのが通常です。
パターの構えをして、クラブの先を使いながらストロークし、ボールをグリーンに転がします。
これが「オフグリーンパット」、「オフグリーンパッティング」といわれるものです。
「オフグリーンパット」の打ち方
まず、重要なのはボールの位置です。
ボールの位置はできるだけ右足の前にし、スタンスの幅は10cmくらいです。特に大きく足を開く必要はありません。
右足のツマ先、または小指側、右足の外側に置く場合もあります。これは傾斜や打ち込む角度によって変わってきますので、このあたりは少し練習をして、適正なボールの位置を見つけ出す必要があります。
ここではひとまずツマ先の前ぐらいに置いて、ボールになるべく近く立ち、パターの握りをします。
体重は大きく左にかけます。この、大きく左にかけた時のイメージとしては、8:2や9:1という割合の左体重です。
ストローク中は手首を使うことなく、しっかりとパターのように固定し、体重の移動もゼロにし、左にウェイトをかけたままクラブを上から下におろします。
当然、地面の中にクラブは入ってきますから、クラブがうまく前にいかないこともあるでしょう。
でも大事なことは、ハンドファーストにして、上からトゥの先を使ってしっかりとコンタクトすることです。
ロフトがありますので、最初の飛び出しは当然ボールの左側の盛り上がりにぶつかることなく上に上がって、軽くグリーンの手間に落ちて、カップに向かって転がる。そういったショットになります。
(この続きは【動画】でご視聴になれます)
【動画】はこちら
鶴見功樹(つるみ こうき)
1999年に英国PGAのメンバーとなり、2002年には日本人初の英国PGAディプロマを取得しツアープロ&ティーチングプロとして活動。帰国後、プロの育成にも注力、大山志保プロの賞金女王獲得を支えた。現在は鶴見功樹ゴルフアカデミーにて多くのアマチュアやプロを指導している。
【動画】ALBAスペシャルレッスン