スピンアプローチの極意『石川遼が先生!遊んで覚えるアプローチ』
多くのゴルファーが憧れるスピンのかけ方。今まで常識だと思っていた、カットに振る、打ち込むといった定説を石川遼が覆す。スピンをかける極意は、ボールが飛んでいく方向に対して真っすぐヘッドを動かすことだという。『石川 遼が先生!遊んで覚えるアプローチ』より(撮影日:2018年3月13日)
配信日時:2023年6月28日 04時56分
スピンをかけるための二つの条件
石川「僕は14本クラブある中で、サンドウェッジはいろんな打ち方や工夫ができるので、非常に好きなクラブです。今回は、このサンドウェッジでのアプローチ、スピンをいかにしてかけるかについてお伝えしたいと思います。」
「スピンをかけるときにまず必要な条件としては、やはり『フェースとボールの間に芝が入らないようなライ』ということがあります。」
「フェアウェイでも沈んでいたり浮いていたりするとなかなか難しいですし、ラフでも順目だったりだとか状況によってかけられる場合があったりします。ですから、毎回プロがスピンをかけるかというと、そういうことではありません。条件が揃っていてかけたい状況のときにスピンをかけるといった感じです。」
「次の条件は、『フェースとボールがくっついている時間を長くする』こと。」
「この『くっついている』というのは、要するに、ボールはクラブにあたってからポーンと飛んでいきますけども、このボールが飛んでいく軌道とヘッドが抜けていく軌道がなるべく重なるように、同じところに抜けていくというイメージです。フェースとボールの間に芝が挟まらないことと、ボールの飛んでいく軌道とフェースの抜けていく軌道をなるべく同じにすること。この二つがスピンの条件です。」
「フェースにボールが乗る」ことが重要
「ボールとフェースがくっついてる時間が長いと、『フェースにボールが乗る』と表現したりしますが、そういった感覚が、スピンをかける時も非常に大事になってきます。むやみにフェースを開いて、カットに打つよりも、フェースにボールをしっかり乗せる感覚を持っている人の方がスピンを上手くかけられます。」
「フェースを開くことが絶対条件かというと決してそんなことはないです。それよりも大事なのは、フォローのときにヘッドとボールがずっと同じ軌道でくるかということ。なるべくボールが飛んでいく軌道と同じ軌道でヘッドが抜けてくるというイメージです。ヘッドが抜ける軌道が低すぎるとボールの下を抜けてしまいますし、逆に高過ぎるとボールが下に行ってしまいます。」
「フェースにボールが乗る」練習方法
「ボールの飛びとヘッドの抜けを揃えていけると、フェースですくったボールを自分で取ることができるくらいに『フェースにボールが乗った』状態になります。このコツは、フェースにボールを乗せるのが非常に上手いあるプロに教わったんですけれども。フェースでボールをすくい上げる練習は非常に難しいんですけども、少しだけ取り入れていただきたいなと思います。」
「コースのアプローチ練習場などでは2ヤードくらいしか飛ばなくていいので、フェースでボールをすくって乗せて持っていくような練習をやっていただけたらいいんじゃないかなと思います。」
「スピンをかける2つの条件。最初はライですね。ボールが良い状態になるかどうかとフェイスとボールの間に芝が入らないかどうかっていうところの条件と、あとはこのフェースとボールがくっついて時間長くする。フェースにボールを乗せると言う感覚ができれば、もうスピンはかかります。」
「勘違いしないでいただきたいのがスピンをかけるという時に極端にフェースを開かなきゃいけない、ヘッドスピードを速くしなきゃいけない、軌道はアウトサイドインで振らなきゃいけないっていうことではないと僕は思っています。」
「テレビの映像を見て、、プロが肘を抜いているような打ち方に見えるシーンが非常に多いと思うんですけれども。肘を抜いているかというと、そうではなくて、軌道の中でピンに対して真っすぐクラブ持って行ってもヒジは抜けてくるものなのです。」
「僕の中ではボールに真っ直ぐ入って、フォローもなるべく真っ直ぐ抜けていくようなイメージです。なるべく肩を縦に回転させて、真っ直ぐ出していくと低く出てスピンがかかってくると言う感じになります。軌道を普通に振ってヘッドを真っ直ぐ出していくというのが基本になってきます。これも気をつけてやってみてください。」
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石川遼(いしかわ りょう)
アマチュアだった2007年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」で15歳8カ月の史上最年少優勝を果たし一躍時の人となると、翌年に高校生ながらプロ転向。2009年には年間4勝を挙げて史上最年少賞金王を戴冠。2010年には「中日クラウンズ」で当時の世界最小ストローク記録となる“58”を叩きだして大きな注目を集めた。2013年から米ツアーに挑戦し、2018年からは再び日本ツアーを主戦場とした。2019年「日本プロゴルフ選手権」で3年ぶりのツアー15勝目。同年は最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」でツアー17勝目を挙げて、ツアー史上最年少となる生涯獲得賞金10億円に到達した。
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