右手1本打ちでタメの感覚を身につけよう
上級者ほど丁寧に片手打ちの練習をしている。80切りを目指すなら是非とも、「片手1本打ち」で体得できるアイアンショットの基本動作を身につけたいところだ。片手打ちの練習を通して、高いレベルのスイングで必要な様々な体の動きが効率的に身につくだろう。『3段階レベル別上達法 80を切るアイアン』五十嵐雄二編より
配信日時:2023年6月30日 10時03分
<右手の片手打ち編>スイングの「タメ」を身につける
スイングの「タメ」をなかなか理解できないという話をよく聞きます。コックを解(ほど)かないまま打つのがタメだと思っている人が多いんですが、タメというのは、勝手にクラブが遅れて「タマル」動きがタメなんです。
タメがないスイングは棒を振ってるような状態になります。逆にタメがあるスイングは、柔らかくクラブが一瞬遅れてきます。この動きが「タメ」の動きになります。
アマチュアの方でショートアイアンが上に高く上がり過ぎて、ロフト通りに飛ばないという方は多いと思いますが、そういう方はタメができずに少し「しゃくれる」動きになっている方が多いです。
今回はその「しゃくる動き」を修正して、「ダウンブロー」に入る打ち方の練習方法を説明していきたいと思います。
まず大事なのは、右手1本で持つ時に、あまりギュッと握らない事です。右手に力入れて構えず、指で支えられる程度の「ゆるゆるグリップ」で握ります。
硬く握ったグリップで右手で1本で振る感覚だと、棒を振っているような非常に硬い感じになってしまいます。これをちょっと柔らかく握ることによって、少しクラブが一瞬遅れて「タメ」ができる状態になります。
タメをつくる練習の時に、下半身を止めて右手を振るのではなくて、下半身をなるべく動かして、足を踏み替えて打つと自然とタメができるようになってきます。
スイングは「肩 → 腕 → グリップ」の順に始動し、最後にヘッドを上げて、テークバックに入ります。そうすることによって過剰にふらふら動いたりとか、硬い動きがなくなってきます。
この要領でテークバックができるようになってくると、自然にハンドファーストで当たる打ち方が身についていきます。
練習はまず最初は20ヤード位でいいです。フェースに乗っかる感覚が身についてきたら、最終的には50ヤード位を目標にします。低い球でフェースに乗る感じができてきたら、タメができてハンドファーストで当たっています。
右手でアプローチした時に、ダフったりトップしてる人は、ダウンで「右の人差し指の腹」に乗ってくるようになれば、まちまちだったインパクトが一定してきます。ダウンで右手の腹に乗る感覚を感じてみてください。
<左手の片手打ち編>フォロースルーでクラブを立たせる
次に左手の1本打ちの練習ですが、こちらはフォローの練習になります。クラブは右手と同じく9番アイアンでいいです。
左手の動きの重要なところは、フォロースルーでクラブを立たせることです。左手の使い方と言っても、左手を動かすのではなくて、左肩は支点にして動かさず、クラブヘッドを動かす動きをします。
左手1本の練習で、フォローでクラブを立たせる練習は、左の脇、腕の付け根を閉めとくことによって勝手にクラブが立つようになってきます。脇が開いてくると立ちません。左の脇を締めることによってクラブが立つようになってきます。脇を締める意識を持ってください。
最後に<両手>でスイングする
左手でも50ヤード飛ばせるようになったら、最後は両手で、先ほど練習した右手のイメージと、左手の脇を締めクラブを立たせたフォロースルーを統合させてスイングします。
右手のイメージ、左手イメージ、この動きを今度一緒にイメージして70ヤード位を打てるように練習しましょう。これで低めの球が打てるようになってくればタメもできて、自然にダウンブローで打てるスイングができているはずです。
これができるようになったら、ショートアイアンの距離間のばらつきであったり、上がりすぎて飛ばないようなミスは減ると思います。
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五十嵐雄二(いがらし ゆうじ)
18歳でゴルフを始め、24歳でプロテスト合格。注目を集めたのが01年の『ダイヤモンドカップ』。マンデーから出場権をつかむと、ともに最終日最終組を回った伊澤利光、藤田寛之とプレーオフへ。優勝は伊澤に譲ったが大健闘の2位だった。同年は『NST新潟オープン』でも3位に入る。09年の『日本ゴルフツアー選手権』で4位スタートの最終日を70にまとめて逆転。プロ18年目、40歳にして初優勝をつかみ取り、同世代の選手に大きな勇気を与えた。
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