芹澤信雄が、100ヤード以内を安定させる“スイング軸”を伝授!
芹澤信雄が100ヤード以内を安定して出すために必要な技術を実践レッスン!安定したスイングに必要なスイング軸の作り方を教える。『トッププロレッスン K's STUDIO』 芹澤信雄編より(撮影日:2023年1月8日)
配信日時:2023年8月30日 06時57分
スイング軸を安定させるためにはアームローテーションが大事
深堀圭一郎(以下:深堀):80台を安定させるためには、100ヤード以内が安定しないと、いくらショットがよくてもどうにもならないことはありますよね。練習の比重だったり、1つの打ち方をできるような何かが必要ですか。
芹澤信雄(以下:芹澤):スイング軸がすごく大事だと思います。100ヤード以内を打つのであれば、腕と肩の三角形が体の正面から外れないように、打てと言っていたけど、アームローテーションで、右の角度と左の角度を対称にする動きが、自分のスイングでできるようになると、ブレがなくなると思います。
芹澤:今はフェース面を変えずに打てというのが多いが、あえてローテーションをさせる。この感覚がゴルフの基本ですよね。本当はこれを最初に教えた方がいいけれど、それができるとしっかりとクラブが立つので低い球が打てるようになります。
ブレないスイング軸が飛距離を安定させる
芹澤:アームローテーションして、ちょっとスタンスを狭くして、肩から肩までのスイングですね。これは一瞬手打ちっぽいじゃないですか。
芹澤:これを左右対称素振りを10回連続でやっていただければ安定しますよ。自然にどんどん早くなってくると、下半身が沈んできて腹筋に力が入るようになります。この感覚がわかってきたら、アプローチは絶対にブレなくなります。
芹澤:自分の感覚で、左右対称に同じように行って戻る素振りが出来るかどうかです。上下に体が動かないように下半身を固定して、腹筋に力を入れると体の上下の動きがなくなります。
この素振りがしっかりできるようになると、自分のスイングプレーンに収まるので、困った時に、素振りを意識をして打てば打球の方向が定まります。家でできますよ。
深堀:簡単に見えて大変ですからね。我々もアプローチをなんとなく打っているようで、どこかにしっかり軸ができていて、軸があるからこそ腕が振れるようになります。軸がない状態だとダフったりトップになりますからね。
芹澤:アマチュアの人は軸がなく体が上下に動く人が多いです。しっかり軸ができていれば、左ワキも開かないです。軸がなければシャンクも出てしまいます。
深堀:軸を意識した左右の素振りができた後には、それを軸にした打ち分けはありますか。
芹澤:基本的には肩の高さまでだけど、それが大きく振れてくれば一緒なので、基本的には腰から腰の高さが振れていれば、振り幅が大きくなっても大丈夫です。距離感は振り幅の大きさによって出るし、その人のクラブのロフトによって変わるけれど、腰から腰の振り幅で素振りができればOKです。
スイング軸を安定させるには腹筋が大事
深堀:今やった連続の素振りもやっぱりアプローチやショットにおいても、この練習をやっておいた方がいいですか。
芹澤:これは絶対やるべき。これは打たなくても素振りでもいいです。僕たちは男子、女子問わず選手たちに10回を3セットさせています。速く振るとしっかりと軸と重心ができてきます。これが自然と理解できるようになると、体への力の入れ方がわかってきます。
芹澤:若い頃、あおってしまったときに、ジャンボ尾崎に「インパクトは腹筋だよ!腹に力入れろ!」
深堀:最初は意味がわからなかったけれど。
芹澤:そう!自分で「ウッ」と言ってみたんです。たしかに打つときに、声をかけたときの方が飛ぶって言うじゃないですか。あれは完璧にそれです。
100ヤード以内だけでなくトラブルショットでもスイング軸が重要
深堀:バンカーなんかはまさにそうじゃないですか。
芹澤:バンカーもそうですが、林から出すときもです。林から打つ時に、ボールが上がって木に当たってしまう人は腹筋に力を入れてクラブを振ることができていないですね。
芹澤:どっちかと言うと僕が思うに、アームローテーションの考え方は古い考え方なんだと思います。最近はこの打ち方をする人はいないです。僕が18歳からゴルフを始めたときに、すごく大事にしていたのが、このアームローテーションです。
アームローテーションとスイング軸ができたから、振り幅がコンパクトでも打てたのかなというのもあります。
深堀:アームローテーションができてきて、次にフェースの抑え方をさらに覚えたんですね。
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芹澤信雄(せりざわ のぶお)
1959年11月10日生まれ。静岡県出身。ツアー通算5勝(2023/7/27時点)。御殿場西高校まではスキーの選手で国体出場経験もある。18歳の時に体力づくりとして始めたキャディーのアルバイトからゴルファーとなる。1982年にプロテスト合格。1996年に「日本プロゴルフマッチプレー選手権」にてメジャー大会初優勝。現在ではシニアツアーをメインに参戦しており、2010年には「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」でシニアツアー初優勝を挙げている。近年では宮本勝昌や藤田寛之と共に"TEAM SERIZAWA"を結成。ジュニアレッスン会を始めとした様々なゴルフイベントを開催している。
深堀圭一郎(ふかぼり けいいちろう)
1968年10月9日生まれ。東京都出身。1992年のプロ転向。2000年、01年の「住建産業オープン広島」では、続けてジャンボこと尾崎将司に競り勝った。03年の「日本オープン」では、最終日に5打差を逆転して優勝し、自身初の日本タイトルを獲得。05年にはシーズン2勝を挙げて、賞金ランキングは自身最上位の3位に入った。09年後半には、左足裏の痛みが悪化してツアーを離脱し、11年には手術を行った。現在はシニアツアーをメインに参戦しており、2022年コマツ・オープンでシニア2勝目を挙げた。