メジャー2勝! ダスティン・ジョンソンの鬼捻転はまるで『トルネード』【世界基準の飛ばしテク】
メジャー2勝を含む米ツアー通算24勝を挙げ、世界ランキング1位に立ったこともあるダスティン・ジョンソン(米国)のスイングを奥嶋誠昭氏が解説する。
配信日時:2024年7月8日 23時05分
瞬く間に速く美しく振り抜いていく、世界のトップ選手たちのスイング。決して真似はできないけど、見ているだけでワクワクしてくる。今回取り上げるのはメジャー2勝を含む米ツアー通算24勝を挙げ、世界ランキング1位に立ったこともあるダスティン・ジョンソン(米国)。フェースをシャットに使い、深い捻転から繰り出すパワーフェードを、奥嶋誠昭氏が解説する。
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トップでフェースは空を向き、ダウンスイングでは地面に向けながら下ろしてくる。フェースをずっとシャットに(閉じたまま)使っています。そのまま打つと引っかけるので、体を少し右に倒して真っすぐ当てているのです。
インパクト前にこれだけ左足を伸ばせるのはすごい。それによって体を右に倒しているのもありますし、ヘッドが走るんですよね。上体が倒れても左肩が浮かずにきれいにターンするので、いわゆる『明治の大砲』(あおり打ち)にはならない。ハンドファーストにロフトを立ててインパクトし、強いフェードを打っています。
さらに驚異的なのはトップの捻転の深さ。最後にグイッと入れる感じは、野茂英雄さんの『トルネード投法』を彷彿とさせます。普通はここまで深く捻ったら上体が浮いてしまいます。浮かずに戻してこられるのは本当にすごい。体の強さがないと無理です。真似はできない観賞用のスイングですね(笑)。
■ダスティン・ジョンソン
1984年生まれ、米サウスカロライナ州出身。2016年の「全米オープン」、2020年の「マスターズ」を含む米ツアー通算24勝を挙げている。2022年から参戦しているLIVゴルフでは、初代年間王者に輝き、その年はチーム戦の賞金を含めて50億円以上を稼いだ。
■奥嶋誠昭
おくしま・ともあき/1980年生まれ、神奈川県出身。これまでに稲見萌寧や木下稜介のコーチを務め、2021年の東京五輪では稲見のキャディとしてバッグを担ぎ、銀メダル獲得をサポートした。現在は横浜市にあるスタジオ、『THE REAL SWING GOLF STUDIO』でプロやアマチュアの指導を行っている。
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●スイング博士のプロコーチ・奥島誠昭と、感覚派のプロゴルファー・横田真一が世界のトッププロのスイング談義を展開。関連記事の【世界のトッププロのインパクトタイプは3つに分類 アマチュアが真似しやすいのは?】では、松山英樹、ローリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、ダスティン・ジョンソンらを3つに分類している。