ハンドファーストに構えてない? 倉本昌弘が教えてくれた『バンス』が使えるアプローチ
永久シードの倉本昌弘が、バンスが使えるアプローチをレッスンする。
配信日時:2024年2月7日 22時50分
「アプローチはバンスを使って打つ」。そんなことは分かっているけど、本当にうまく使えているかは不安。国内男子ツアーで通算30勝を挙げた永久シードのレジェンド、倉本昌弘は、8日発売のゴルフ雑誌ALBA886号の中で「そもそもアマチュアはインパクトのイメージが間違っています」と話している。
まずはバンスについて簡単におさらい。芝ではなく床などの硬いところでアドレスしたとき、地面から少し刃(リーディングエッジ)が浮く。この出っ張りこそがバンス。刃から地面に入れば当然ミスにつながるが、バンスから地面に当てると、ヘッドが地面を滑ってきれいに抜けていく。地面に当たった衝撃でロフトが立つため、ボールの下をヘッドがくぐる『ダルマ落とし』も回避できる。倉本曰く「バンスはミスを防ぐお助け機能」なのだ。
それにも関わらず、なぜグリーン周りのライが良い花道からミスが出てしまうのか? 「フェース面をボールに当てようとするとバンスがなくなり、刃が地面に刺さってしまう」と倉本。つまり、アイアンと同じようにハンドファーストに打とうとすると、せっかくのバンスの機能を殺してしまっているのだ。
アプローチの基本のピッチ&ランで、バンスをうまく使うためにはアドレスが重要になる。「まず胸の前でグリップエンドを指でつまみ、クラブをダランと垂直に垂らしてみてください。このシャフトの傾きをキープして構えればバンスが出た状態を作れます。アドレスが完成したらインパクトでもシャフトを垂直にするイメージで払い打ちましょう」。
クラブを握ると、手元が前に出てハンドファーストになったりしてしまうもの。だから一度力を抜いて重力にまかせ、地面と垂直な状態を確認するのだ。ウェッジの巨匠、ボブ・ボーケイも「シャフトを真っすぐにして構える」ことを推奨している。
そして、やはりショットと同じように手先ではなく体で振ることが、ミスなく再現性を高める絶対条件。「バックスイングでは右股関節、ダウンスイングでは左股関節に体重が乗るように体重を動かせば、体の回転で打てるようになります。歩いてボールに近づきながら打つと、感覚がつかめますよ」。アプローチのような小さな振り幅でも体重移動を意識することで、体が使える。しっかりバンスを使ってアプローチ下手から脱却しよう。
■倉本昌弘
くらもと・まさひろ / 1955年生まれ。広島県出身。80年にツアー史上初のアマチュア優勝。92年に25勝目を挙げ永久シードを獲得した。レギュラーツアー通算30勝。シニアツアーでは賞金王を2度戴冠している。