「右OBだけは避ける」と考えると右に飛ぶのは脳のメカニズムが原因だった【“こころ”で芯喰い】
池ポチャを避けたいと思うほど、池に入れてしまう人もいるのでは?実はその原因、脳のメカニズムにあったのだ。今回は、ハザードを避けるための方法をお教えしよう。
配信日時:2023年11月21日 08時01分
「池があると必ず入れてしまう」、「フェアウェイの広さに関係なく、OBゾーンがあると打ち込んでしまう」。ゴルファーの中にはそういう人も多いのではないでしょうか。
こういう場合、ほとんどの人は、「自分はプレッシャーに弱いからだ」と考えがちですが、実はメンタルの強さは関係ありません。絶対に避けたいということをやってしまうのは、脳のメカニズムに原因があるのです。
そのメカニズムとは、イメージ力や想像力を司る右脳が、否定形を理解できないことです。
例えば、目の前に池があったとき、「池だけには入れないようにしよう」、「池を無視してピンだけを狙おう」と思っても、“池”という言葉を頭に思い浮かべた瞬間、脳は“池”だけに反応し、「池に入れろ」という指令を出してしまうのです。これは、OBでもバンカーでも同じです。ハザードを意識すれば、頭の中で否定しても、そこに向かうプログラムを勝手に作成してしまうのです。
この問題を解決するためには、避けたいものを無視して、これからやりたいことを頭の中で言語化することが必要です。
例えば、池越えのパー3ならば、池という言葉を使わないで、「ピンをデッドに狙おう」、「グリーンセンターに打とう」と考える。そしてショットのときは池を見ないで、目の前のボールとピンだけを注視して打つ。これを徹底すれば、池はもちろんOBゾーンもバンカーも避けることができるはずです。
この否定形を使わないという方法は、パッティングでも有効です。パッティングでも、「もしショートしたらどうしよう」と考えた時点でショートする確率は高くなります。絶対にショートさせたくないと思うのなら、「カップにねじ込むぞ」か「オーバーさせるぞ」と考えなければいけないのです。
児玉光雄
こだま・みつお●追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』843号より抜粋
”こころ”で芯喰い