米国女子ツアー「ブルーベイLPGA」にて、トータル17アンダーで2勝目を飾った竹田麗央。今季からルーキーとして参戦し、5試合目で頂点に立った。そんな竹田のスイングをプロコーチの大西翔太に解説してもらった。
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昨年から変わった点で言えば、アドレスで少し左足に体重をかけるようになっていることですね。テークバックで右足に乗る準備をしているのだと思います。実際に、テークバックでは右股関節に押し込む動きが見て取れます。
大きなトップを心がけているみたいで、「意識的にトップが高くなるようにしている」と本人が話していました。テークバックでアウトに振り上げて、トップではスイングプレーンよりも上にきています。高い手元の位置から緩やかなアウトサイド・イン軌道で振ってフェードを打っていますね。
下半身の力をボールに伝えているのも、竹田選手の特徴の一つ。スクワット動作で沈み込み、インパクトで地面を蹴って力を出しています。強く踏み込むために、ダウンスイングで左のヒザを開いてガニ股を作っているのもポイントです。
また、フォローが大きいのに頭は右サイドに残っている。普通はこれだけフォローが大きいと一緒に動いてしまうところですが、肩甲骨と股関節が柔らかいので耐えられています。一般的に頭が残るのはドローの動きですが、フェース管理がとても上手だからフェードを打てているのでしょう。おそらく、目をつぶって腰の高さまで上げて、フェースを真っすぐにしてと言ったら、竹田選手はできると思いますね。それくらい重心を感じていないと、このスイングでフェードを打つのは難しいはずです。
今回優勝しましたが、米国女子ツアーで複数回勝てると思います。竹田選手はショットがすごくて、パターとアプローチに磨きがかかっている。今年のメジャーで勝つ可能性も十分にあります。
■竹田麗央
たけだ・りお/2003年生まれ、熊本県出身。2024年は8勝を挙げて年間女王に輝く。今季は米国女子ツアーにルーキーとして参戦。5試合目にして優勝を果たした。ヤマエグループHD所属。
■大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ。千葉県出身。PGAティーチングプロA級を取得。2015年から青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務めて、5勝を挙げることに貢献。理論的なレッスンでアマチュアにも人気。
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