「踏み込み」と「スエー」は何が違う!? 誰しもが悩む“やりすぎ症候群”の対処法を知ろう
飛ばすための練習が、やり過ぎたせいでミスを呼び起こすことがあるという。その矯正方法とは?
配信日時:2024年7月23日 09時29分
体重移動を意識し始めて飛距離が伸びるようになったのに、球が力なくヘロヘロと“右にフケる”。こんな悩みを持つアマチュアはかなり多い。「踏み込みの意識が過剰になったことによる弊害ですね。ゴルフ練習で必ず訪れる“やり過ぎ”が影響しています」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。それは、体重移動を意識するあまり踏み込み過ぎているってこと?
「踏み込んで打とうとするあまり、ダウンスイングで体が左に流れる……ダウンで左に強く体重をぶつけるイメージは、アマチュアがやるとただのスエーになりやすいです。ダウンで体が左に流れるということは、球が中(右足寄り)に入ったのと同じ。このように球と手の距離が近づくと、右ヒジを早くほどかないとインパクトが間に合わなくなります。結果、フェースがスクエアに戻る前にインパクトを迎えることになり、球が右にフケるのです」
知らず知らずのうちにスエーしていたわけだ。これが“やり過ぎ”の弊害なのだろうか。
「スイングを矯正しようとあるポイントを意識すると、その効果が徐々に効いてきていい球が出始めます。すると、ことさら意識しなくても体は正しく動くのに、修正し始めた頃と同じ強い意識のままで練習を繰り返す。結果、せっかくつかんだ正しい動きを見失ってしまうことがあるのです」
なるほど、いい球が打てるようになってきたら、体が自然と反応してくれると判断して、過剰に意識しないほうがいいということか。
「とはいえ、現状振り遅れてしまっている部分は矯正したいですよね。これを直す“左手バンッ”ドリルを教えましょう。まず、アドレスの姿勢を取って両手をダラリと下げます。次に、左手はそのままにして右手だけをテークバックし、左手のヒラを右手のヒラで“バンッ”と強く叩く。こうすることで、上体が正面を向いた形でインパクトを迎える感覚が身に付きます。このドリルを実際に打つのと交互に行うことで、より早く正しい動きを覚えられますよ」
球がつかまって球筋もドローボールに変化した。スエー癖がついてしまっている人は、ドリルを一球ごとに挟みながら練習するとすぐに矯正できるだろう。ただし、何事も“やり過ぎ”は禁物。体が覚えてくれることを信じて、安定していい球が出るようになったら、意識し過ぎないことが大切だ。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!