<太平洋クラブチャレンジ 2日目◇30日◇太平洋クラブ 江南コース(埼玉県)◇7224ヤード・パー72>
国内男子下部ツアーにアマチュアとして初参戦した元メジャーリーガー・松坂大輔氏は、この日は「85」としてトータル22オーバー・145位(最下位)で予選落ち。下部とはいえプロ仕様のセッティングで戦った2日間を“経験値”として、しっかり持ち帰った。
序盤は見事な“耐え”を見せた。1番から出た松坂氏は連続パー発進。3番では2メートルを沈めてパーセーブし、4番(パー4)はこの日の見せ場の一つだった。ピンはグリーンの右サイドに切られていたが、松坂氏の2打目はグリーン右のラフ、いわゆるショートサイドに外す。
ボールからエッジまで10ヤードほどで、エッジからピンまで4ヤードほどしかない。左足下がりのラフでグリーンは砲台。プロでも難度が高い状況だ。松坂氏はソフトロブでエッジに落とすと、ボールはコロコロとピン右奥2メートルに止まった。これには「あしたから@(アマチュアマーク)を外しちゃいなよ」の声も飛んだ。それをきっちり沈めてパーセーブした。
続く5番(パー4)はティショットを右に曲げて、不運にも木の根元に止まると、見事な左打ちを披露して観衆を沸かせた。しかし、3打目は寄せられずにボギー。続く6番はパーパットが10センチ寸止め。7番はグリーン奥からの3打目をトップして3連続ボギーに。「1回トップしてからおかしくなった」と続く8番もアプローチミスでパーを拾えなかった。
後半に入ると“おかしくなった”アプローチは主役になれず、5つのボギーを献上するなど、目標の「70台」には届かなかった。
「いくつかバーディチャンスにつけるところもありましたし、それを入れないと。僕らは基本的に(スコアを)減らしていくのはなかなかできないので。そのツケがあとあと回ってきたな、と」。5メートル以内のバーディパットを決めきれないことには唇をかんだ。
しかし、2日間プロ仕様のセッティングで戦う中で、ゴルファーとしての収穫は少なくない。「アプローチは基本得意なんですけど、こういうグリーンに対応するバリエーションが必要」と同組プロの技を目に焼き付けた。「2日間、プロと一緒に回らせてもらったので、いいイメージを持ちながらアプローチの練習に励みたい。また機会があれば挑戦させてもらいたい」。スケールアップした松坂氏のゴルフをまた見たい。