<ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック 4日目◇29日◇エミレーツGC(アラブ首長国連邦)◇7428ヤード・パー72>
アラブ首長国連邦で開催されている「ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック」に参戦中のパトリック・リード(米国)に、再び“ルール問題”が浮上した。
問題が起きたのは現地時間日曜日に行われた第3ラウンドで、17番パー4のティショットを曲げたリードのボールはコース内の“パームツリー”を直撃し、ボールはそのまま木の中へと潜ってしまった。
キャディとその木の下にやってきたリードは、持っていた双眼鏡を取り出しキャディとともにボールを探し、自分のボールがあることを確認したという。
リードはタイトリストのProV1を使用、そのボールには自身のマークとなる“矢印”が描かれそれを“双眼鏡”で確認できたのだという。
パームツリーにはいくつものボールが突き刺さっていたが、「僕は印が見えてラッキーだった」とリードはゴルフ規則19.2cに従って、木の真下にドロップ、1ペナルティを科して3打目をプレーした。
「自分のボールと100%確認できた。100%でなければ、ティに戻って打ち直している」とリードはラウンド後にコメントしている。
実際にコース上にいた競技委員も合流し、双眼鏡を使ってリードの言う“矢印”を確認し、その結果アンプレアブルを承認している。
DPワールド(欧州)ツアーはステートメントを発表し、「何人かのマーシャルにより、特定の木にボールが刺さったことが確認された。その上で双眼鏡によりボールマークが確認されたので、アンプレアブルを承認した」とした。
ところがこの出来事はあっという間にSNSで広がり論争に。その理由は過去にリードがルール問題を引き起こしているから。2019年、タイガー・ウッズ(米国)が主催する「ヒーローワールドチャレンジ」ではウェイストバンカー内での素振りでボールの後ろの砂を数回削りとったことが映像で確認され、2罰打を受けることに。また21年の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」では、深いラフにボールが埋まった際、マーシャルや同伴競技者に「ラフでボールが跳ねたか?」と確認。跳ねたのは誰も見ていないことから「自分のピッチマークに埋まった」として救済を受けた。このとき、競技委員を呼ぶ前に自身でボールを動かしたことからSNSが大炎上した。
18年の「マスターズ」チャンピオンのリードは現在「LIVゴルフ」に参戦中だが、2月のスポーツ仲裁委員会の決定が出るまでDPワールドツアーへの出場が可能。今大会の開幕前には挨拶を無視したローリー・マキロイ(北アイルランド)にティペグを投げるなどし世間をにぎわせている。(文・武川玲子=米国在住)