2週前、日本で開催されたアジア太平洋アマチュア選手権(太平洋クラブ御殿場C)を制したディン・ウェンイー(中国)が16日、正式にプロ転向を正式発表した。
同大会の勝利で来年の「マスターズ」と「全英オープン」の出場権を得たものの、アマチュアでの出場に限るため正式に消滅。一方で、今年6月に発表された「グローバル・アマチュア・パスウェイ」(以下GAP)の制度が適用され、来季の欧州、DPワールドツアーの出場権を獲得した。
GAPとは、トップマチュア選手にプロツアーへの道を開く支援プログラム。米国の大学ゴルファーがNCAAチャンピオンシップから米PGAツアーへの出場権を得られる「PGAツアー・ユニバーシティ」のに対し、カレッジゴルフをプレーしていないアマチュアへのキャリア支援を補充という形でDPワールドツアー、R&A、米国男子ツアー(PGA)が協力してスタートさせたもの。
その条件は
・米大学リーグのNCAAディビジョンⅠの選手でないこと
・ランキング対象期間の年末に20歳以上であること
・世界アマチュアランキングが200以内であること
などがあるが、ウェンイーは同条件を満たすため、アリゾナ州大を秋の一学期を残して退学。11月には20歳になることから「グローバル・アマチュア・パスウェイ」からDPワールドツアーの出場権を得る第1号となった。アジア太平洋アマチュア選手権の勝利で得たマスターズなどの出場権はプロ転向することで行使できなくなるが、ウェンイーは自身の計画通りにプロ転向へと踏み切った。
「プロとしての旅が始まることにとても興奮している。来季はDPワールドツアーで戦うことをとても楽しみにしている」とコメントを発表。「『グローバル・アマチュア・パスウェイ』は素晴らしい機会を与えてくれた。DPワールドツアー、R&A、PGAツアーの支援にとても
感謝する」と綴った。
ウェンイーは今週、母国中国で開催される下部ツアー、杭州オープンでプロデビュー。DPワールドツアーは11月下旬のオーストラリアオープンで初戦を迎えると見られる。(文・武川玲子=米国在住)