＜カズー・フランスオープン　最終日◇24日◇ル・ゴルフ・ナショナル（フランス）◇7247ヤード・パー71＞

21歳の久常涼が欧州ツアー25戦目で初優勝を勝ち取った。首位と4打差の5位からスタートすると、前半を2バーディ・2ボギーとしながら後半に入ってから爆発。5バーディを奪い、トータル14アンダーまで伸ばし、2位に2打差をつけて鮮やかな逆転劇を演じた。

ホールアウト後のインタビューでは英語で答えるなど、たたずまいもすっかり欧州ツアーのメンバー。「もっともっとバーディを獲ろうとアグレッシブにいった」と、終盤のプレーを振り返った。

タフなホールが待ち受ける後半は、「タフな状況でも自信を持ってフルスイングしていった」と若さあふれる攻撃的なゴルフでねじ伏せた。17番パー4ではセカンドを2メートル弱につけバーディ。ここで後続に差をつけることに成功し、青木功、松山英樹に次ぐ3番目の日本勢優勝を手中に収めた。

「結果を考えずに自分のゴルフにフォーカスした。リーダーボードも見ていなかったし、自分のポジションも知らなかった」とひたすらバーディを奪う姿勢を崩さなかった。「ラッキーもあったし、パットも入った」と結果的には、そんな久常のゴルフに女神が微笑んだ。

今季から参戦している欧州ツアーは毎週の転戦だけでも大変だが、すでに来季のシードも確実だったなかでの優勝。これで年間ポイントレースでも11位に浮上した。「あした日本に帰るけど、これでビジネスクラスにアップグレードしようかな（笑）」と英語で答え、メディアを笑わせた。新たなスター誕生。日本未勝利の若武者が、世界に『RYO』の名をとどろかせた。