<コマーシャルバンク・カタールマスターズ 最終日◇11日◇ドーハGC(カタール)◇6689ヤード・パー72>
DPワールド(欧州)ツアーで勝利を果たした星野陸也が今後の目標を明かした。「(ポイントランキング)トップ10に入ってPGAツアーに行くことが目標です」。目指すのは、昨年久常涼がたどった道だ。
久常は昨シーズンから本格参戦し、年間ポイントランキング上位10人に入り、米国男子ツアーに“昇格”。いまでは“久常ルート”とも呼ばれる道を星野も進む覚悟。そのためには「もう1勝はしないといけないと感じている」と、すでに気持ちは次の勝利へと向かっている。
「早めに1勝できたことは大きかった」。今シーズンはすでに6試合で優勝1回にに2位が2回。今大会終了時のポイントランキングも2位につけ、目下絶好調。昨年苦労しながらつかんだシード権でフル参戦が可能で、ここからさらにペースアップをもくろむ。
先にあるのは欧州2勝目、米ツアー進出と明確だが、もう一つ星野が見据えるのがパリ五輪出場だ。2021年の東京五輪にも出場し、オープニングショットを打つ役割も果たしたが、38位という結果には当然納得いかず。「いろんなスポーツが一つの大会を目指す。そういう舞台にはまた出たいと思っています」と視界に先にあるのは、パリでのリベンジだ。
今大会前の世界ランキングは日本勢4番手だったが、今回の勝利で出場の目安となる2番手に浮上。「東京五輪は悔しかったですし、フランスのコースも知っているので、それに向けて目の前の試合に集中していきたい」と複数のモチベーションが、このあとの星野を突き動かしていくのは間違いなさそうだ。
「次のステージに行けるようにというのが大きい」とカタールでの勝利が大きな自信にもなっている。今週は1週間のオフで「カタールでゆっくりしながら、日曜日にケニアに入ります」と、次戦の地・アフリカを目指す。世界を股にかけて戦い初めて1年。何度も口にした“2勝目”という言葉。まだまだ星野のサクセスストーリーは始まったばかりだ。