＜マイナビABCチャンピオンシップ　3日目＞◇31日◇ABCゴルフ倶楽部(7,217ヤード・パー72)

　兵庫県にあるABCゴルフ倶楽部で開催されている、国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップ」は3日目が終了。1イーグル・4バーディでトータル13アンダーにした鈴木亨が、2位の藤田寛之に5打差をつけ単独首位。5年ぶりの優勝に王手をかけた。

　1番で3メートル、2番で50センチにつけ連続バーディでスタートした鈴木。6番でも5メートルを沈め、後半の11番では12メートルのバーディパットをねじ込んだ。圧巻は最終18番パー5、セカンドはグリーン奥にこぼれたがそこから約10ヤードのアプローチが決まりイーグルフィニッシュ。本人も「興奮した」という最高の上がり方で、トータル13アンダーに。「これまで最後でボギーを叩くなど、詰めが甘いゴルフをしていた」という鈴木だったがこの日はノーボギーのラウンド。「ピンチらしいピンチはなかった」と持ち前のショットの良さを発揮した。

　会見で鈴木は「皆さんの聞きたいことは昨日の事だと思うのですが…」と前置きし、2日目に高橋竜彦のマーカーをしていた鈴木がスコア誤記したことを話し始めた。プレーに集中していた鈴木はそれまで高橋のスコアを記入していたが、なぜか途中から一緒にまわっていた山本隆允のスコアをつけ始め、山本が好調だったため高橋は4ホールの過少申告に。もちろん責任は最終的にチェックしなかった高橋にあるのだが、鈴木は「本当に申し訳ないことした。昨日の夢にまで出てきた」というほど高橋を気遣っていた。「周囲の人はみんな気にしないでいいと励ましてくれた。今日は余計なプレッシャーよりスコアの方に気がまわってそれで良かったのかな」とこの日のプレーのことも振り返った。

　2004年のアコムインターナショナル以来の優勝を目指す鈴木だが、この時は最終日が悪天候のため中止に。4日間での優勝は2002年の「JCBクラシック仙台」までさかのぼる。「3日目まで(いいゴルフが)出来ている。いい形で締めくくりたい」と話す鈴木。明日は藤田と石川遼相手にどんなゴルフを展開するか注目したい。

　【3日目の順位】
1位：鈴木亨(-13)
2位：藤田寛之(-8)
3位T：石川遼(-7)
3位T：金亨成(キム・ヒョンソン)(-7)
5位：星野英正(-6)
6位T：藤島豊和(-5)
6位T：宮本勝昌(-5)
6位T：甲斐慎太郎(-5)
9位T：宮里聖志(-4)
9位T：山本隆允(-4)
9位T：ブラント・ジョーブ(-4)
9位T：矢野東(-4)