＜カシオワールドオープン　3日目＞◇28日◇Kochi黒潮カントリークラブ(7,300ヤード・パー72)

　高知県にあるKochi黒潮カントリークラブで開催されている、国内男子ツアー「カシオワールドオープン」は3日目を終了し2打差に6選手がひしめく大混戦に突入した。石川遼、丸山茂樹、小田孔明の3選手がトータル14アンダーで首位タイ、1打差の4位に宮本勝昌、5位タイに平塚哲二、近藤共弘と上位は若手、中堅、ベテランの実力者ぞろい。南国高知を舞台に繰り広げられているツアー終盤の大一番の盛り上がりは明日最高潮を迎える。

史上最年少賞金王へ王手！遼、14アンダー首位タイ浮上！

　首位タイからスタートした丸山茂樹は5バーディ・3ボギーと出入りの激しい内容でスコアを2つ伸ばすに留まったが首位の座はキープ。「出来れば4アンダーくらいでまわっておきたかった気持ちはあったけど、ドライバーもアイアンも良いし今日も紙一重のミスだけ」と好調をアピール。攻めの姿勢を失わずロングホールで果敢に“直ドラ”を試みるなど、スランプに悩まされ悲壮感すら漂うなかで戦っていた姿はもうそこにはない。「気持ちよく振れているし、こういう状態っていうのは戦う気持ちになりますね」99年「ブリヂストンオープン」以来約10年ぶりとなる、国内ツアー優勝へ闘志を燃やす。

　最終日最終組で迎える明日は、連覇を狙う小田と偉業達成に挑む石川との豪華ペアリング。今季最高の注目を集めることは間違いない。石川も「今までで一番ドキドキすると思う」と興奮気味に語ったが、「孔明ちゃんと遼くんはもう次元の違う所まで飛んでっちゃうんで。まぁ後からゆっくりやりますよ」と百戦錬磨の丸山に気負いはない。しかし、日本ツアーに復帰した際に「若手の壁になりたい」と語っていただけに、その存在感を示すにはこれ以上の舞台はないはずだ。「自分の世界で迷わずにやりたいね」連覇と賞金王、2つの偉業の前に強さを取り戻しつつある“世界の丸山”が立ちはだかる。

　また、最終戦となる「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権獲得にも意気込んでいる丸山は「(出場権争いライバルの)宮本と優作を抑えていかないとね(笑)」と前をまわる後輩2人にプレッシャーをかけることも忘れなかった。