星野陸也が後続に5打差をつけて圧勝を飾った「フジサンケイクラシック」。富士桜CCで開催された中では、最少大会優勝スコアを記録する大活躍を見せた。星野の悲願の初優勝を、JGTOのコースセッティング・アドバイザーを務める細川和彦が振り返る。
【スイング連続】ビッグドライブが持ち味!星野陸也のドライバー連続写真
■例年より好スコアの要因は?
昨年は優勝スコアがトータル3アンダーと過酷な戦いとなった「フジサンケイクラシック」。今年は星野がトータル16アンダーまで伸ばした。
もともとの想定優勝スコアは「トータル6〜8アンダー、いっても二桁」という計算。想定以上の好スコアの要因として挙げられるのが、ひとつは芝の状態。「今年のグリーンは、重くて柔らかい。例年の速さと硬さが出なかった」。今年の猛暑などが影響し、例年と同じ質を保つのが難しかった。加えて、最終日の雨でプリファードライが適用。「これで2ストロークくらい変わると思います」。
■とにかく攻める!難関コースに臆せずピンを狙い続けた星野
天候や芝の状態だけではない。星野がマークしたトータル16アンダーのビッグスコアは、“攻め”の姿勢から生まれた。
「星野選手は、絶対にピンを狙っていく姿勢が見られました。ちょっと難しい位置にピンを振ると、グリーンの真ん中や安全なところに落として2パットを狙いがち。それでも攻める姿勢を貫いていました」。攻め続ける星野を見ていて思い浮かんだのが、石川遼のプレーだ。「石川選手も、必ずピンを狙ってきた。スイングや打ち方は別にしても、ゴルフのプレースタイルが似ている」。星野と石川は幼い頃から親交があり、今では同じマネジメント事務所にも所属している。「一緒に練習しているのも大きいでしょうね。難しいコースに対して、思い切りよくゴルフができていました」。
その思い切りの良さを支えたのが、今季出場した海外メジャーや、地区大会「札幌オープン」での優勝で培った経験。「ピンの狙い方や、マネジメントがよく出来ていました。あとは、球を打ち分けようといろいろな技を出していました。1週間トータルで、とてもいいゴルフをしていたと思います」と賞賛。「可能性が無限大のプレーヤーですね」と、完全勝利を決めた22歳の今後に期待をかける。「いいゴルフをして自信もついたと思いますし、今年あと1、2勝して、逆転賞金王も狙えると思います」。日本で賞金王を獲って、いずれは海外へ。将来のビッグスターが誕生した。
■優勝こそ逃したが、活躍を見せた若手選手たち
「今週のように距離が長くてアップダウンがあるコースだと、やっぱり若手が強い。世代交代を感じました」というように、星野のほかにも多くの若手選手が活躍を見せた。
とくに、最終日に粘り強く追い上げたのが、重永亜斗夢と今平周吾。「星野は飛ばし屋でビッグスコアを出しそうな気配があるけど、重永や今平はジワジワ積み重ねていつの間にか上にいくタイプ」。今季開幕戦でツアー初優勝を挙げた重永は、その後は予選落ちが続いていたが、本大会では3位に入った。「重永はスイングもパッティングもいいし、上り調子になっていると思う」と、2勝目が期待できそうだ。
他にも細川が注目するのは、4位タイに入った木下稜介と、2位タイ発進を決めた松原大輔。「若くて思い切りのいいゴルフをしていました。刻むようなゴルフをしていなかった。若い選手に、どんどん頑張って欲しいですね」。
解説・細川和彦(ほそかわ・かずひこ)/ 1970年12月28日生まれ。ツアー通算8勝。1993年にプロ転向し、95年に初優勝。翌年には中嶋常幸以来となる20歳代での2試合連続優勝を達成。00年には米国男子ツアーの「ケンパーインシュランスオープン」で2位に入っている。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制ではコースセッティング・アドバイザーを務める。
【スイング連続】ビッグドライブが持ち味!星野陸也のドライバー連続写真
■例年より好スコアの要因は?
昨年は優勝スコアがトータル3アンダーと過酷な戦いとなった「フジサンケイクラシック」。今年は星野がトータル16アンダーまで伸ばした。
もともとの想定優勝スコアは「トータル6〜8アンダー、いっても二桁」という計算。想定以上の好スコアの要因として挙げられるのが、ひとつは芝の状態。「今年のグリーンは、重くて柔らかい。例年の速さと硬さが出なかった」。今年の猛暑などが影響し、例年と同じ質を保つのが難しかった。加えて、最終日の雨でプリファードライが適用。「これで2ストロークくらい変わると思います」。
■とにかく攻める!難関コースに臆せずピンを狙い続けた星野
天候や芝の状態だけではない。星野がマークしたトータル16アンダーのビッグスコアは、“攻め”の姿勢から生まれた。
「星野選手は、絶対にピンを狙っていく姿勢が見られました。ちょっと難しい位置にピンを振ると、グリーンの真ん中や安全なところに落として2パットを狙いがち。それでも攻める姿勢を貫いていました」。攻め続ける星野を見ていて思い浮かんだのが、石川遼のプレーだ。「石川選手も、必ずピンを狙ってきた。スイングや打ち方は別にしても、ゴルフのプレースタイルが似ている」。星野と石川は幼い頃から親交があり、今では同じマネジメント事務所にも所属している。「一緒に練習しているのも大きいでしょうね。難しいコースに対して、思い切りよくゴルフができていました」。
その思い切りの良さを支えたのが、今季出場した海外メジャーや、地区大会「札幌オープン」での優勝で培った経験。「ピンの狙い方や、マネジメントがよく出来ていました。あとは、球を打ち分けようといろいろな技を出していました。1週間トータルで、とてもいいゴルフをしていたと思います」と賞賛。「可能性が無限大のプレーヤーですね」と、完全勝利を決めた22歳の今後に期待をかける。「いいゴルフをして自信もついたと思いますし、今年あと1、2勝して、逆転賞金王も狙えると思います」。日本で賞金王を獲って、いずれは海外へ。将来のビッグスターが誕生した。
■優勝こそ逃したが、活躍を見せた若手選手たち
「今週のように距離が長くてアップダウンがあるコースだと、やっぱり若手が強い。世代交代を感じました」というように、星野のほかにも多くの若手選手が活躍を見せた。
とくに、最終日に粘り強く追い上げたのが、重永亜斗夢と今平周吾。「星野は飛ばし屋でビッグスコアを出しそうな気配があるけど、重永や今平はジワジワ積み重ねていつの間にか上にいくタイプ」。今季開幕戦でツアー初優勝を挙げた重永は、その後は予選落ちが続いていたが、本大会では3位に入った。「重永はスイングもパッティングもいいし、上り調子になっていると思う」と、2勝目が期待できそうだ。
他にも細川が注目するのは、4位タイに入った木下稜介と、2位タイ発進を決めた松原大輔。「若くて思い切りのいいゴルフをしていました。刻むようなゴルフをしていなかった。若い選手に、どんどん頑張って欲しいですね」。
解説・細川和彦(ほそかわ・かずひこ)/ 1970年12月28日生まれ。ツアー通算8勝。1993年にプロ転向し、95年に初優勝。翌年には中嶋常幸以来となる20歳代での2試合連続優勝を達成。00年には米国男子ツアーの「ケンパーインシュランスオープン」で2位に入っている。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制ではコースセッティング・アドバイザーを務める。