毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する【日本オープン編】。

【写真】アダム・スコットに石川遼　大会の模様を写真で振り返る

国内最強ゴルファーを決める「日本オープン」は、圧巻の逃げ切り勝ちを見せた稲森佑貴のツアー初制覇に終わったが、稲森以外の選手の活躍も大会を大いに盛り上げた。

目玉の1人はアダム・スコット（オーストラリア）。2年ぶり4回目の出場で、スコットの行くところ常に行列が後を追った。初日に飛び出した藤田寛之も「中年の星」として、大きな声援を受けていたが、期間中、もっともファンを引き連れていたのが、石川遼だった。

「撮影していて思ったのですが、スコット選手よりも石川選手のほうがギャラリーは多かったと思います」と振り返るのは、デビュー時から石川を撮影し続けている村上航カメラマンだ。「成績が出ていませんが、醸し出している雰囲気はやっぱりスターだと思います」と、撮影していても感じる石川の魅力を語る。

大会期間中、石川はホールアウト後、毎日暗くなるまで練習を重ねていた。3日目も真っ暗のなか、練習を終えた石川とすれちがったという村上カメラマン。「朝早いスタートだったのに、こんなに遅くまでやっているのか、と思ったんです。常に自分と向き合っているし、期待に応えたいという行動がかっこいいと思います。きっとギャラリーにもそういう姿勢が伝わっているのだと思います」（村上カメラマン）。復活優勝が待たれる。