スタート時の差は2打。だが「川村くんは必ず追ってくる。こんなのは差にならない」と必死のプレーを続けた。バーディを奪っても、川村も同様にスコアを伸ばしてくる。後半の15番パー5では、川村がセカンドショットをピタリとピンにつけイーグル。「これはピンチでした。完璧に打たれた」と焦る気持ちに負けず、木下も2オンに成功しバーディで応戦した。
だが最後に最大のピンチが訪れる。17番で1打差に迫られ迎えた最終18番。ここで木下のティショットは左のラフへと入った。一方の川村はフェアウェイからイーグルチャンスにつけるナイスプレーを見せる。ここで木下はレイアップを選択し3打目勝負とし、これを1.5mにつけた。川村はイーグルパットを外し、バーディ。決めれば優勝のバーディパットだったが、「入ってくれって願ったのがいけなかった。ゆるんで押し出してしまった」とこれをミス。結局パーとしてしまい、プレーオフへと突入した。
この激戦を制し、木下は「勝ち負けではなく、逃げなかったのが成長」と自分をほめた。それは正規の18番でラフから放ったセカンドショットなどに象徴される。レイアップで出したあとの残り133ヤードの3打目は、「安全に8番アイアンを持とうかとも思ったけど、(川村は)イーグルもある。『逃げちゃだめだ』と思い、しっかり振ろうと9番アイアンを握りました」とピンをさすことだけを考えた。「ずっと震えていました。でもそういうときのほうがいいショットが出るんですよね」。弱気な男が見せた強気のゴルフの積み重ねが、初勝利へと結びついた。
「自分は追い込まないとダメなタイプ」と語る木下。これまでは「シード獲得」、「日本シリーズJTカップ出場」と目標を掲げ、自分を奮い立たせてきた。今回の優勝で最終戦出場も確定した今、次の目標として「1勝目は運、2勝目は実力というので、なんとか2勝目を挙げたい。まぐれで終わったと思われたくない」というものを設定した。そして、それに続けもう1つの目標を追加した。
「勇太さんがいない間に、賞金ランクを抜いてみたいですね」
幼少期から1学年上の池田勇太らと同じ千葉県内のジュニアスクールで腕を磨き、身長が低いことから“ちびユータ”とよばれてきた木下。「勇太さんに勝てれば全国大会とかはあったけど、いつも負けてきた」と、常に壁として立ちはだかった存在でもある。
だが最後に最大のピンチが訪れる。17番で1打差に迫られ迎えた最終18番。ここで木下のティショットは左のラフへと入った。一方の川村はフェアウェイからイーグルチャンスにつけるナイスプレーを見せる。ここで木下はレイアップを選択し3打目勝負とし、これを1.5mにつけた。川村はイーグルパットを外し、バーディ。決めれば優勝のバーディパットだったが、「入ってくれって願ったのがいけなかった。ゆるんで押し出してしまった」とこれをミス。結局パーとしてしまい、プレーオフへと突入した。
この激戦を制し、木下は「勝ち負けではなく、逃げなかったのが成長」と自分をほめた。それは正規の18番でラフから放ったセカンドショットなどに象徴される。レイアップで出したあとの残り133ヤードの3打目は、「安全に8番アイアンを持とうかとも思ったけど、(川村は)イーグルもある。『逃げちゃだめだ』と思い、しっかり振ろうと9番アイアンを握りました」とピンをさすことだけを考えた。「ずっと震えていました。でもそういうときのほうがいいショットが出るんですよね」。弱気な男が見せた強気のゴルフの積み重ねが、初勝利へと結びついた。
「自分は追い込まないとダメなタイプ」と語る木下。これまでは「シード獲得」、「日本シリーズJTカップ出場」と目標を掲げ、自分を奮い立たせてきた。今回の優勝で最終戦出場も確定した今、次の目標として「1勝目は運、2勝目は実力というので、なんとか2勝目を挙げたい。まぐれで終わったと思われたくない」というものを設定した。そして、それに続けもう1つの目標を追加した。
「勇太さんがいない間に、賞金ランクを抜いてみたいですね」
幼少期から1学年上の池田勇太らと同じ千葉県内のジュニアスクールで腕を磨き、身長が低いことから“ちびユータ”とよばれてきた木下。「勇太さんに勝てれば全国大会とかはあったけど、いつも負けてきた」と、常に壁として立ちはだかった存在でもある。