毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する【ダンロップフェニックス】。

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白熱の最終日。スタートホールから大観衆が見守る中、事件は起きた。最終組からのスタートとなったブレンダン・ジョーンズ（オーストラリア）。ティショットを右に曲げると、ボールは林の中のベアグラウンドに止まった。

最終組についていたカメラマンも林の中に到着。村上航カメラマンもその一人だ。「ずっとボールをのぞき込んでいたので、何かなと思ったんです。しばらく考えた末に打ったのですが…」と、インパクト直後にシャッターを押すと、鈍い音とともに、なんとアイアンのヘッドが飛んでいった。

「かなり前に、女子ツアーでヘッドが飛んだのを撮影したことがあったのですが、それ以来でした。めったにないことなので驚きました」と村上カメラマン。実はボールの下には木の根っこがあったという情報を後から知ったという。

ボールはグリーン方向に飛んだが、ヘッドも芝生に着弾。「ブレンダン選手にもケガはなかったようですし、ヘッドが誰にも当たらなくて良かったですね」（村上カメラマン）。観戦時、ボールの行方だけでなく、ヘッドの行方にも注意が必要な一幕だった。