今季、華麗な復活劇を遂げた選手がもう一人。「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でツアー初優勝、1試合前の「ダンロップフェニックス」で2勝目を挙げた市原弘大だ。2010年にプロ転向後10年目で初の賞金シードを獲得したが、12年には約6万円差でシードを手放した。14年に返り咲いたが、昨年は2度目のシード陥落。今季はQT10位からの参戦だった。「12年は、結果に左右されながら1年間苦しくて、ギリギリで落ちて。でも、そういう経験があったから、今こうしてプレーできていると思います。去年は指を痛めていたのもありましたが、この試合に来たときは開き直っていた。日本がダメでも、アジアのQTも、下部ツアーもある。探し求めればゴルフができる環境はいくらでもあるし、そこが終わったら全部終わりという考えはなかった」と語る。日本ツアーでの複数年シードを獲得した今年も、より多くの戦いの場を求めてアジアンツアーのQTに挑戦する予定だ。
強制的に気持ちを切り替えなければ、やっていけない部分も大きかったのかもしれない。しかし、一度どん底を味わったからこそ、改めてゴルフをする意味や楽しさを見つめ直すきっかけにもなったのかもしれないと感じる。深くしゃがみ込むほど、より高く飛べるもの。厳しい戦いも待っているが、ここからどんな復活劇を見せてくれるのか期待せずにはいられない。(文・谷口愛純)
強制的に気持ちを切り替えなければ、やっていけない部分も大きかったのかもしれない。しかし、一度どん底を味わったからこそ、改めてゴルフをする意味や楽しさを見つめ直すきっかけにもなったのかもしれないと感じる。深くしゃがみ込むほど、より高く飛べるもの。厳しい戦いも待っているが、ここからどんな復活劇を見せてくれるのか期待せずにはいられない。(文・谷口愛純)