＜日本オープンゴルフ選手権　3日目＞◇16日◇愛知カンツリー倶楽部(7,084ヤード・パー71)

　予選ラウンドをトータル7アンダー4位と圧巻の内容で通過したアマチュア松山英樹。この日は序盤からボギーが先行する苦しい内容となったものの、後半4つのバーディで盛り返しトータル7アンダー4位をキープして3日目を終えた。

藤田寛之が単独首位！松山は3打差4位で最終日へ

　大ギャラリーを前に物怖じしない強心臓ぶりをみせ予選ラウンドを戦いぬいた松山だったが、さすがに日本オープンの決勝ラウンドは一筋縄ではいかせてもらえなかった。「なんだか落ち着きがなかったですね。いつものようにプレーしているつもりでもソワソワしていた」メジャーの雰囲気にあてられたか、気持ちの揺らぎはショットにあわられる。前半はティショットがすべてフェアウェイにいかず苦しい展開。5番パー5のバーディがあったものの2つのボギーを叩きスコアを落としてしまう。

　ハーフターン後も難関の10番でもボギーを叩くと、11番では初めてティショットをフェアウェイに打って作った50センチのバーディチャンスをまさかの2パットでパー。健闘をみせていたアマチュアも悪い流れにはまり、ここから一気に崩れていくかに思われた。しかし、「11番を外してから目が覚めました」とこの痛いパットが気付け薬となり、途端にいつもの安定感を取り戻す。12番パー5、13番パー3と連続バーディ。15番からバーディとボギーが交互にくる展開で迎えた18番ではティショットを林に打ち込むトラブルを招くも、なんとかボギーでおさめ上位をキープしてみせた。

　もし明日3打差をひっくり返し優勝を果たすことがあれば、第1回大会の赤星六郎以来となるアマチュアとしての日本オープン制覇。同時に浅見緑蔵が第2回大会で記録した19歳9か月7日のメジャー史上最年少優勝記録まで塗り替えてしまう大快挙だ。しかし、本人はそんな周囲の期待もどこ吹く風。報道陣から赤星さんを知っていますか？との質問には平然と「知らないです(笑)」と言い切った。「明日はバーディを沢山とって追いつけるように頑張りたいです」ビッグマウスでもなんでもない。ただ「一打一打を真剣にやりたい」謙虚で図太い18歳の心の中にはそれしかない。