＜日本オープンゴルフ選手権　最終日＞◇17日◇愛知カンツリー倶楽部(7,084ヤード・パー71)

　この日のウェアは勝負カラーの赤を上下で揃えた。09年「ミズノオープンよみうりクラシック」以来の勝負のコーディネートだったが、勝利を求めるそのアツい気持ちは空回りした。愛知県にある愛知カンツリー倶楽部で開催された、国内男子メジャー第3戦「日本オープンゴルフ選手権」。5打差を追ってスタートした石川遼は2つスコアを落としトータル3アンダー8位タイで4日間を終えた。

金庚泰がメジャー初制覇、松山は大健闘3位タイ！

　ラウンド後会見に応じた石川は、冒頭で搾り出すように謝罪した。「前半は同組のキョンテにもギャラリーの皆さんにもひどいプレーをお見せしてしまって…」1番でグリーン周りのミスからいきなりボギーを叩くと、3番、4番もアプローチのミスから連続ボギー。序盤で早々に優勝争いから姿を消してしまう。

　そこからはどこか無気力にも映る内容のないゴルフ。「自分でどうすればいいのかわからなかった。ゴルフに対する納得のいかない感じが心の中でコントロールできなかった」時にはイライラを表情に出しボギーだけがかさんでいく。10番でミスにミスを重ねボギーを叩いた時にはすでにスコアは1アンダー。猛チャージをみせていた同組の金庚泰（キム・キョンテ）（韓国）との差は10ストロークまで開いてしまった。

　終わってみれば優勝をさらった金との差は最後まで縮まることなく8位タイ。「今までの日本オープンの中で一番悔しい」納得のいかないプレーとなっただけでなく、気持ちをコントロール出来ず1打に対する集中力を欠いたことに唇をかみ締めた。常にゴルフの上達だけを求めてきた石川だが、この最終日は結果を求めてしまった。今季の後半戦は申し分のないプレーで「VanaH杯KBCオーガスタ」以降トップ15を外さず常に優勝争いに顔を出してきた。しかし、「ずっと優勝争いが出来ていたので、その分優勝に対する気持ちが強くなってしまった」ここ数戦常に届きそうなところにあった“優勝”の2文字が大舞台で19歳の心を惑わせた。