国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」の最終日の10番ホール。石川遼の放った149ヤードのセカンドショットはピン手前からコロがり直接カップに吸い込まれた。ため息ばかりが出る内容にも関わらず、ずっと応援し続けてくれたギャラリーへのお返しのようなスーパーイーグル。しかし、終わってみれば見せ場はここだけだった。

「石川遼1打速報」で全ストロークを振り返る

　トータル2オーバーからスタートした石川は、少しずつキレを取り戻したショットで前半からチャンスを量産。しかし、これをことごとく逃しスコアカード通りのプレーが続く。苦しい展開を抜け出せずにいると、8番ではティショットを林に打ち込むトラブルからダブルボギー。一気にスコアを落としてしまう。苦しい状況の中10番でイーグルも飛び出したが、その後はパーオンしてもことごとく2パット。最終18番も4メートルのイーグルチャンスにつけながら2パットのバーディ止まり。10番のスーパーショットが猛チャージの呼び水とはならなかった。

　「ショットだけ見れば上位でプレーしていてもおかしくない内容だった」大きく出遅れた初日以外はショットは合格点。問題はグリーン上だ。「大きなストロークのミスとかはなかったですが、グリーンになじめてなかったかな。ボールのコロがりとグリーンのスピードがマッチしていなかった」フェニックスCCのアンジュレーションのある高速グリーンを最後まで読みきることが出来なかったことが伸び悩みの原因だ。

　ショットの手応えを得たことで収穫はあった1週間だったが、「悔やまれるのは初日ですね。出遅れたぶん波に乗れなかった」とやはり悔しい気持ちは強い。賞金王を争う金庚泰(キム・キョンテ)(韓国)が2位、池田勇太が優勝という結果を残しただけになおさらだ。だが、これで賞金王争いが俄然熱を帯びてきた。「日本シリーズを迎えるまでわからない展開にもっていきたいです。優勝すればわからないというところまで来週で最低でももっていきたい」来週は相性の良いKochi黒潮カントリークラブ。「初日からショットのタイミングやパッティングのタッチが合ってくればまた優勝争いできると思う」メジャーへの招待など世界につながる賞金王の称号は最後まであきらめない。

【最終結果】
優勝：池田勇太(-15)
2位：金庚泰(キム・キョンテ)(-13)
3位：富田雅哉(-11)
4位T：ロバート・カールソン(-10)
4位T：エドアルド・モリナリ(-10)
6位：鈴木亨(-7)
7位：兼本貴司(-6)
8位T：金度勲(キム・ドフン)(-5)
8位T：J・チョイ(-5)
10位T：藤田寛之(-4)他3名