プロと遜色のないプレーぶりで、途中まではむしろプロたちをリードしていた金谷だったが、彼のゴルフは決して本調子ではなかった。つい先日は、学生の団体戦「信夫杯争奪日本大学ゴルフ対抗戦」でメンバーを外されるなど、世界アマチュアランク1位の金谷にはショックな出来事もあったのだ。今大会に乗り込んできた時も、「調子があまりよくない」と自信なさげにコメントしていたが、2日目以降は連日60台。トーナメントレコードタイ記録まで樹立した。
「アジアアマ、日本オープンといいプレーができない流れで大学の個人戦、団体戦があったが、全然ダメでした。しかし、団体戦で3オーバーを打っても、どこかに使ってもらえるんだろうという自分の中でおごりがあった。でも監督が自分を外したことで、そういうことにも気づけたし、メンバーで出ることは当たり前ではないこともわかった。すごくいい経験だったと思います」
その後、もう一度謙虚な気持ちでゴルフに向き合い、コツコツと自分のベストを尽くした結果、本来のポテンシャルを発揮できるようになった金谷は、憧れの先輩が成し遂げた「三井住友VISA太平洋マスターズ」をアマチュアで優勝するという大きなご褒美をもらうことができた。アジアアマの連覇ができず、日本オープンではローアマも獲れなかった。また団体戦でメンバーから外され、人には打ち明けられない悔しい思いもあっただろう。だが、その悔しさを胸に秘め、ベストを尽くして戦い抜いたことで、新たなステージへとまた進むことができるはずである。
そんな実直で真面目な金谷も、まだ21歳の大学3年生。”ゲン担ぎ”をすることもあるという。
おととい、びっくりドンキーで「ダブルチーズバーグディッシュ」(びっくりドンキーの裏メニュー)を食べたら、翌日7アンダーを出すことができた。そしてゲンを担ぐタイプの彼は、昨晩もまた同店の同メニューを食べたという。また、東北福祉大ゴルフ部・阿部靖彦監督が見に来るときは調子がいいというが、監督は最終日、コースに現れ、金谷に「優勝しろ」と声をかけた。彼にとってはラッキーづくし。スタート前から、「今日はやれる!」という気持ちがみなぎっていたのかもしれない。
来年はゴルフ部の主将を務めるという金谷。松山英樹のように大学生にしてプロ転向を選ぶ道もあるかもしれないが、今後の進路については周囲の人たちと相談するという。そしていずれは松山先輩と同じ舞台で世界一を目指したいとキッパリ。世界のアマチュア競技でともに戦ってきた同世代の、マシュー・ウルフやコリン・モリカワ(ともに米国)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)らはすでにプロ入りして、ツアー優勝を遂げている者もいる。彼らはPGAツアーのシード選手として活躍しているが、金谷にも十分な実力が備わっていることが今日、証明された。世界への扉が見えた金谷。一歩一歩、焦ることなく自分のペースで世界一を目指して欲しい。(文・大泉英子)
「アジアアマ、日本オープンといいプレーができない流れで大学の個人戦、団体戦があったが、全然ダメでした。しかし、団体戦で3オーバーを打っても、どこかに使ってもらえるんだろうという自分の中でおごりがあった。でも監督が自分を外したことで、そういうことにも気づけたし、メンバーで出ることは当たり前ではないこともわかった。すごくいい経験だったと思います」
その後、もう一度謙虚な気持ちでゴルフに向き合い、コツコツと自分のベストを尽くした結果、本来のポテンシャルを発揮できるようになった金谷は、憧れの先輩が成し遂げた「三井住友VISA太平洋マスターズ」をアマチュアで優勝するという大きなご褒美をもらうことができた。アジアアマの連覇ができず、日本オープンではローアマも獲れなかった。また団体戦でメンバーから外され、人には打ち明けられない悔しい思いもあっただろう。だが、その悔しさを胸に秘め、ベストを尽くして戦い抜いたことで、新たなステージへとまた進むことができるはずである。
そんな実直で真面目な金谷も、まだ21歳の大学3年生。”ゲン担ぎ”をすることもあるという。
おととい、びっくりドンキーで「ダブルチーズバーグディッシュ」(びっくりドンキーの裏メニュー)を食べたら、翌日7アンダーを出すことができた。そしてゲンを担ぐタイプの彼は、昨晩もまた同店の同メニューを食べたという。また、東北福祉大ゴルフ部・阿部靖彦監督が見に来るときは調子がいいというが、監督は最終日、コースに現れ、金谷に「優勝しろ」と声をかけた。彼にとってはラッキーづくし。スタート前から、「今日はやれる!」という気持ちがみなぎっていたのかもしれない。
来年はゴルフ部の主将を務めるという金谷。松山英樹のように大学生にしてプロ転向を選ぶ道もあるかもしれないが、今後の進路については周囲の人たちと相談するという。そしていずれは松山先輩と同じ舞台で世界一を目指したいとキッパリ。世界のアマチュア競技でともに戦ってきた同世代の、マシュー・ウルフやコリン・モリカワ(ともに米国)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)らはすでにプロ入りして、ツアー優勝を遂げている者もいる。彼らはPGAツアーのシード選手として活躍しているが、金谷にも十分な実力が備わっていることが今日、証明された。世界への扉が見えた金谷。一歩一歩、焦ることなく自分のペースで世界一を目指して欲しい。(文・大泉英子)