「言葉は悪いですけど、“バカは考えない。バカだから”って。頭がいいわけではないので、『考えて苦しむなら思うままにやれよ』と。もとをたどれば思い切りの良さが強みなのに、それを欠いていた」と、根っこの部分を気づかせてくれたのが青木コーチだった。

今週は不在だが、ツアー参戦時にはキャディとして帯同することもある。まめに連絡も取っているが、技術的な話をすることは比率で言えば少ない。「きのうも話しましたが、ゴルフの話は特にしない。今からごはん何食べるの、とか、チーズタルト買ってきますよ、とか（笑）」。そんな他愛のない話が精神安定剤になっている。

予選ラウンドを終えて首位とは3打差。待ち望んだチャンスが巡ってきたのは、奇しくもかつて日本アマを制した北海道の地だ。「ラッキーボーイなんです」と不敵に笑う胸の内には、青木コーチの“自分らしく、思うままにやれ”という言葉が、強く響いている。