＜Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 3日目◇28日◇芥屋ゴルフ倶楽部（福岡県）◇7210ヤード・パー72＞

“お祭り”演出のひとつで、DJが大会を盛り上げる12番パー3。1メートルにピタリとつけてバーディを奪うと、『石坂選手、ナイスバーディ！』とマイク越しの声が響き渡る。慣れない演出に控えめに手を振った21歳だが、ティオフで流す入場曲に選んだのは「アイ・オブ・ザ・タイガー」。82年公開のシルヴェスター・スタローン主演の映画「ロッキー3」のテーマソングだ。

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映画が好きな父の勧めで選んだが、映画公開はもちろん生まれる前のこと。「どちらかというと邦楽が好きですが、頑張ろうって思えるのでいいですね」と、渋いテーマソングを背に毎朝気を引き締めている。

19年にプロ転向し、現役大学生プロとしてツアーデビューした石坂友宏。昨年の「ダンロップ・フェニックス」での金谷拓実との優勝争いで一気に知名度を上げ、「関西オープン」で予選2日間首位に立ち、「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でも優勝争いに加わった。前週の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」で8位タイに入り、今週も3日目を終えて首位と2打差の3位タイ。

「優勝争いの緊張感も初めてではないので、7アンダーくらいを目標に。同じようにやっていけば、優勝もできると思います」と不屈の精神で初優勝のチャンスをつかもうとしている。戦う男のテーマ曲をBGMに最終組で迎える最終日。チャンピオンベルトはもう目の前だ。