＜パナソニックオープン　3日目◇25日◇城陽カントリー倶楽部（京都府）◇6967ヤード・パー72＞

「お前の知識がないんじゃない？」。2日目を終えてホテルに帰ると、とりつく島もなく姉にピシャリと叱られた。セカンドOBとロストボールで「+4」を叩いた前日の16番パー5。打ちのめされた表情の河本力（日体大4年）の姿は、この日はどこにもない。24時間後には、「63」をマークして首位と1打差に舞い戻った。

キリッ！　アマ中島啓太が凛々しい【写真】

落ち込んでコースを出た昨晩。こういうとき、すぐに頭に浮かぶ顔は2人いる。アカデミーで教わってきた中嶋常幸と、目澤秀憲コーチだ。日頃から目をかけてくれる中嶋からは、「切り替えろ」と経験をもとにアドバイス。「どうしたの、“9”って」と、米国から帰国したばかりの目澤氏とも電話で話し、切り替えた。

そして、最後の最後で連絡が来たのが、姉の河本結。「（女子だったら）競技委員さんをもっと呼ぶし、お前が知識がないんじゃない。まあ、アマチュアだし、そんなこともできんよね」。言いたいことだけ話して、パッと電話を切ってしまう。それでも、遠慮のない物言いがマイナスな感情を吹き飛ばしてくれた。

「チャンスはある」。背中を押されて迎えた3日目は、スタートから5連続バーディのロケットスタート。前半で「30」をマークすると、この時点でトップタイ。12番でイーグルを奪って迎えた、問題の16番。