「泣かせてあげるよ」。冗談交じりで稲森は返した。相棒の気持ちに応えるべく打った2打目はピン5メートルに乗った。大きく曲がるスライスラインだが、似たようなラインで先に打った宮本勝昌のボールは想像以上に右に曲がった。「右にボール1個分曲がると思っていましたが、宮本さんのボールを見て1個半分に増やしました」。その読みどおりボールはカップに吸い込まれた。
かつて自分が目指していた舞台。たとえプレーヤーでなくても、勝利の味は格別だ。「17番でバーディを取った瞬間に下半身の意識がなくなり、宙に浮いてると感じるほど緊張していました。最後は喜びと安どと、いろんな思いで涙が止まりませんでした」と芳賀キャディは“初優勝”に感極まった。
昨年のこの大会で初タッグを組んだ。今季は開幕戦の「東建ホームメイトカップ」以来のコンビ。「(最終日に)9番でボギーを打って、シュンってなっていても『次頑張ろう』って気持ちの上げ上手で、支えられました。普段から超ハイテンションでそれをコースで発揮できるのがカズキの強みだと思います」。稲森にとって、インサイドロープで唯一の味方。その存在の大きさを語った。
優勝争いが佳境になり、いつもハイテンションの芳賀キャディが静かになっているのを見て、「逆に面白かったですよ。僕も緊張していましたが、いいリラックスになりましたね」。まさに二人三脚でつかんだ優勝だった。(文・小高拓)
かつて自分が目指していた舞台。たとえプレーヤーでなくても、勝利の味は格別だ。「17番でバーディを取った瞬間に下半身の意識がなくなり、宙に浮いてると感じるほど緊張していました。最後は喜びと安どと、いろんな思いで涙が止まりませんでした」と芳賀キャディは“初優勝”に感極まった。
昨年のこの大会で初タッグを組んだ。今季は開幕戦の「東建ホームメイトカップ」以来のコンビ。「(最終日に)9番でボギーを打って、シュンってなっていても『次頑張ろう』って気持ちの上げ上手で、支えられました。普段から超ハイテンションでそれをコースで発揮できるのがカズキの強みだと思います」。稲森にとって、インサイドロープで唯一の味方。その存在の大きさを語った。
優勝争いが佳境になり、いつもハイテンションの芳賀キャディが静かになっているのを見て、「逆に面白かったですよ。僕も緊張していましたが、いいリラックスになりましたね」。まさに二人三脚でつかんだ優勝だった。(文・小高拓)