9番のティイングエリアに立った時点では、トータル8アンダーで単独首位に立っていた。池ポチャのリスクを避けて、ワンオンを狙わずに刻む選択肢もあったが、「刻むのは頭にはなかったですね」と3番ウッドを握った。「ミスったらミスったときよ」。
グリーンの後ろを取り囲むギャラリーを見て、「距離的にも合うし、せっかくだから観に来ている人を沸かせたい」と、3番ウッドを振り切ると、「GO!」という蝉川の叫びに押されるようにボールはエッジから2ヤードほど先に着弾し、ピンの右8メートルにピタリ。ティイングエリア、そしてグリーンサイドにいたギャラリーが「ウォー」と沸き、大きな拍手が起こった。
アマチュアながら蝉川は「ギャラリー目線を意識している」という。「やっぱりアマチュアではできないプレーを見たいと思って、ちっちゃい頃は(ツアーを)観に来ていたので。予想を超えるようなショットを打つ選手たちに、僕は憧れが強い。自分ができるプレーを前面に出していきたい。アグレッシブなところを見て沸いてくれたりとか、楽しんでくれると思うので、意識しています」と考えている。もう発言はプロそのものだ。
そして、9番のイーグルパットはど真ん中からカップに吸い込まれ、大きなガッツポーズ。再びギャラリーを沸かせた。ワンオンに成功したのは、ほかにアダム・スコット(オーストラリア)、清水大成、大岩龍一がいるが、そのうちイーグルを奪ったのは蝉川だけだった。「9番のショットは一番楽しかったです。アドレナリンが出た。やっぱりどのプロもそうなんじゃないですか。ギャラリーのかたがいるラウンドは楽しめる。自分たちも楽しい。僕自身は歓声が上がるほうがテンション上がるので、すごく楽しい職業だなと思います」。もはやアマチュアとして見るのは失礼なのかもしれない。
あしたは6打差逃げ切りを図るが「このスコアに満足せず、逆に8アンダー出すくらい、もっともっと伸ばしていくようなゴルフを意識して、しっかり勝ちきりたいなと思います」と臆することなく宣言した。
きょうのラウンド後にクールダウン中の片山晋呉が、トップの蝉川が12アンダーまで伸ばしたスコアボードを見ながら言った。「優勝スコアは5アンダーって言ってきたけど、プロの部だったかもしれない。アマチュアの部は考えてなかった。一気にスターになっちゃえばいい」。5度の賞金王にこうまで言わせるとは…。いままさに怪物が誕生しようとしている。(文・下村耕平)
グリーンの後ろを取り囲むギャラリーを見て、「距離的にも合うし、せっかくだから観に来ている人を沸かせたい」と、3番ウッドを振り切ると、「GO!」という蝉川の叫びに押されるようにボールはエッジから2ヤードほど先に着弾し、ピンの右8メートルにピタリ。ティイングエリア、そしてグリーンサイドにいたギャラリーが「ウォー」と沸き、大きな拍手が起こった。
アマチュアながら蝉川は「ギャラリー目線を意識している」という。「やっぱりアマチュアではできないプレーを見たいと思って、ちっちゃい頃は(ツアーを)観に来ていたので。予想を超えるようなショットを打つ選手たちに、僕は憧れが強い。自分ができるプレーを前面に出していきたい。アグレッシブなところを見て沸いてくれたりとか、楽しんでくれると思うので、意識しています」と考えている。もう発言はプロそのものだ。
そして、9番のイーグルパットはど真ん中からカップに吸い込まれ、大きなガッツポーズ。再びギャラリーを沸かせた。ワンオンに成功したのは、ほかにアダム・スコット(オーストラリア)、清水大成、大岩龍一がいるが、そのうちイーグルを奪ったのは蝉川だけだった。「9番のショットは一番楽しかったです。アドレナリンが出た。やっぱりどのプロもそうなんじゃないですか。ギャラリーのかたがいるラウンドは楽しめる。自分たちも楽しい。僕自身は歓声が上がるほうがテンション上がるので、すごく楽しい職業だなと思います」。もはやアマチュアとして見るのは失礼なのかもしれない。
あしたは6打差逃げ切りを図るが「このスコアに満足せず、逆に8アンダー出すくらい、もっともっと伸ばしていくようなゴルフを意識して、しっかり勝ちきりたいなと思います」と臆することなく宣言した。
きょうのラウンド後にクールダウン中の片山晋呉が、トップの蝉川が12アンダーまで伸ばしたスコアボードを見ながら言った。「優勝スコアは5アンダーって言ってきたけど、プロの部だったかもしれない。アマチュアの部は考えてなかった。一気にスターになっちゃえばいい」。5度の賞金王にこうまで言わせるとは…。いままさに怪物が誕生しようとしている。(文・下村耕平)