＜中日クラウンズ　初日◇26日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(6,545ヤード・パー70)＞

　国内男子ツアー「中日クラウンズ」の初日。石川遼、尾崎将司という2大スターと同組でプレーした山下和宏が3アンダーで回り、首位と2打差の5位タイと好スタートを切った。

山下和宏のプロフィールと今季成績

　この日はビックネーム2人とのラウンドに「キングと王子にはさまれてフワフワしていた」と苦笑いを浮かべた山下。いつもとは違った緊張感にさらされたが、それでもこの組を引っ張ったのは山下だった。イーブンパーで迎えた4番、5番と連続バーディを奪うと、8番では約170ヤードのセカンドを30センチにつけるスーパーショットでお先にバーディ。後半は伸ばせなかったものの難コースを“67”で回ってみせた。

　このオフは「子育てを放棄して自分のやりたいことをやった」と、2月に研修生時代の仲間が経営するマレーシアのコースでゴルフ合宿。さらに和歌山、宮崎と各地で腕を磨いて回った。猛練習を積んだ成果は今シーズン開幕から表れ、「ショットは今まで一番良い」と好調さを見せてきた。グリーン周りとパッティングに苦しみ2戦連続予選落ちを喫するなど結果は出ていないが、この日は開幕戦の2日目に使用してアンダーで回った39インチの中尺パターを駆使して微妙な距離のパットを次々と放り込んだ。

　かわいい盛りの3歳と1歳の子供のそばにいることを犠牲にしてまで、ゴルフに打ち込んだこのオフシーズン。妻も理解を示し快く送り出してくれた。その恩返しの初優勝を届けるために、キングも王子も抑えて主役となる。