＜中日クラウンズ　初日◇26日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(6,545ヤード・パー70)＞

　国内男子ツアー「中日クラウンズ」が名古屋ゴルフ倶楽部和合コースを舞台に開幕した。雨風が強まる難しいコンディションにプロ達も伸び悩む中、序盤から快調にスコアを伸ばしたのがアマチュアの伊藤誠道。1番を幸先良くバーディとすると6番、7番と連続バーディ。「全部手前から攻めて行きました」という対和合戦略がはまり一気にプロ達の間に割って入っていく。

遼、11位タイ発進も「良くもなく悪くもなく」

　ところが、難関の14番をボギー、そして15番を終わったところで伊藤の名前がリーダーズボード上位から消えた。15番パー5のティショットは会心の当たりでフェアウェイ。しかし、練習ラウンドでは残り100ヤード地点に刻むとさんざん確認していたこのホールで、つい欲が出て手にしたのはスプーン。結果中途半端な距離を残すと、3打目はグリーン奥のバンカーで目玉。そこから手前バンカー、さらに、ホームランして再び奥のバンカーで目玉となり6オン2パットのトリプルボギーを叩いてしまった。

　これで1オーバーとなり残りは3ホール。しかし、ここで伊藤の闘志に火がつく。そのきっかけは、杉並学院高校ゴルフ部の親友と交わした“オーバーパー貯金”。これはプロ、アマ競技関係なくオーバーパーを打ったら1オーバーにつき100円を2リットルペットボトルに貯金していくというもの。伊藤は今季まだ1度も貯金をしていないが、このまま終わるとお金を入れることになる。すると16番はセカンドをピン1メートルにつけバーディ。これでイーブンとすると、17番は上から7メートルを放り込み貯金を免れるどころか1アンダーで回って11位タイでホールアウトした。

　15番は和合のワナにはまって手痛いトリプルボギーとしたものの、自分のリズムで2つバーディを取り返してくるあたりはプロ顔負けの精神力だ。明日への意気込みを聞かれても「今年は2日目に悪い傾向があるんで、明日は調子に乗らずにやりたい。ミスはあると思うけど、ミスを小さいミスに抑えることを意識したいです」と16歳とは思えないコメントで締めくくった。ちなみに、オーバーパー貯金の使い道は「温泉旅行です」。やはり16歳とは思えない。