いつものように、その日着る勝負服を選んで娘をコースに送り出した母は、「持ってきているのが少なくて、あれしか着るのがなくて」とおどけたように前置きしつつも、赤と白の組み合わせに「紅白になりましたね」としみじみ。そしてすぐに、手に握っていたハンカチで目頭を押さえた。その横で山下のコーチも務める父は対照的に笑顔を見せる。ただ「女王を獲れるなんて思ってなかった。ビックリ。できすぎです」と驚きは隠さない。
21年の「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を挙げ、初めてシード選手として臨んだシーズン。しかし4月に行われたそのKKT杯バンテリンレディスで予選落ちを喫すると、そこを含め3試合連続で決勝進出を逃した。「一番メンタル的にも落ち込んでいました」と、この春先のつまずきについて振り返る。しかし、その直後に行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では、完全優勝という形でメジャー初タイトルを獲得。苦しい時期を乗り越えたこの試合も、最後はやはり涙で締めくくった。
そして11月末の宮崎県。ここにも感動の瞬間を迎え、目を真っ赤にした山下の姿があった。シーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では、女王としてメジャー2勝目を手にした。「恩返しだと思っていました。コーチの父は毎試合、いいところ、悪いところを見てくれる。そういうところが心強いですし、助かっています」。ここでも家族の支えに感謝を述べる。涙のち笑顔。最後は恒例のフラワーシャワーの中心で、最高のスマイルを見せた。
この最終戦に間に合わせたパターは、それまで使用していたものに勝臣さんの意見を取り入れ、重量とソフト打感にミーリングで調整したもの。目を引くのは赤いソールプレート部分。『Family is everything(家族がすべて)』という文字が刻印されている。「家族がなかなか自宅にそろうことがないので、皆で集合してゆくっりしたいですね」。女王防衛がかかる2023年シーズンへと向かう前に、しばし親子水入らずの時間を過ごす。
21年の「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を挙げ、初めてシード選手として臨んだシーズン。しかし4月に行われたそのKKT杯バンテリンレディスで予選落ちを喫すると、そこを含め3試合連続で決勝進出を逃した。「一番メンタル的にも落ち込んでいました」と、この春先のつまずきについて振り返る。しかし、その直後に行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では、完全優勝という形でメジャー初タイトルを獲得。苦しい時期を乗り越えたこの試合も、最後はやはり涙で締めくくった。
そして11月末の宮崎県。ここにも感動の瞬間を迎え、目を真っ赤にした山下の姿があった。シーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では、女王としてメジャー2勝目を手にした。「恩返しだと思っていました。コーチの父は毎試合、いいところ、悪いところを見てくれる。そういうところが心強いですし、助かっています」。ここでも家族の支えに感謝を述べる。涙のち笑顔。最後は恒例のフラワーシャワーの中心で、最高のスマイルを見せた。
この最終戦に間に合わせたパターは、それまで使用していたものに勝臣さんの意見を取り入れ、重量とソフト打感にミーリングで調整したもの。目を引くのは赤いソールプレート部分。『Family is everything(家族がすべて)』という文字が刻印されている。「家族がなかなか自宅にそろうことがないので、皆で集合してゆくっりしたいですね」。女王防衛がかかる2023年シーズンへと向かう前に、しばし親子水入らずの時間を過ごす。