「17番でパーパットを打つ前にガチャガチャと大きな音がしたんです。普通なら『何やってんだよ!』と音のした方をにらんでもおかしくない。それだけ緊迫した場面でした。ところが彼は『大丈夫ですから、大丈夫ですから』とニコニコしていたんです」(上山カメラマン)
この2.5メートルのパーパットは無情にも外れボギー。18番ティイングエリアに立ったときには、比嘉との差はついに2打に。バーディ・ボギーで追いつかれる差となった。蝉川のニコニコを見て上山カメラマンが思い出したのは、ツアー通算48勝、賞金王を4度獲得したレジェンド、中嶋常幸。「何年前だったか、何の試合だったかも思い出せないんですが、中嶋さんがティイングエリアに入ったときに、赤ちゃんが急に泣き出したことがあったんです。すると中嶋さんは『ずっと泣かしておいて大丈夫だから』と笑顔で言いながらティショットを打った。その光景が浮かびました」。
蝉川の最終18番ではグリーン左からのバンカーショットが寄らずに、エッジから5メートルの長いパーパットが残っていた。比嘉がバーディパットを外して、ボギーでも優勝の場面だったが、これを沈めてミラクルセーブ。渾身のガッツポーズで喜びを爆発させた。そのタイガー・ウッズばりのド派手なパフォーマンスよりも、緊迫した場面で見せた笑顔に、上山カメラマンはスーパースターがまとう空気を感じとった。
この2.5メートルのパーパットは無情にも外れボギー。18番ティイングエリアに立ったときには、比嘉との差はついに2打に。バーディ・ボギーで追いつかれる差となった。蝉川のニコニコを見て上山カメラマンが思い出したのは、ツアー通算48勝、賞金王を4度獲得したレジェンド、中嶋常幸。「何年前だったか、何の試合だったかも思い出せないんですが、中嶋さんがティイングエリアに入ったときに、赤ちゃんが急に泣き出したことがあったんです。すると中嶋さんは『ずっと泣かしておいて大丈夫だから』と笑顔で言いながらティショットを打った。その光景が浮かびました」。
蝉川の最終18番ではグリーン左からのバンカーショットが寄らずに、エッジから5メートルの長いパーパットが残っていた。比嘉がバーディパットを外して、ボギーでも優勝の場面だったが、これを沈めてミラクルセーブ。渾身のガッツポーズで喜びを爆発させた。そのタイガー・ウッズばりのド派手なパフォーマンスよりも、緊迫した場面で見せた笑顔に、上山カメラマンはスーパースターがまとう空気を感じとった。